2011年06月09日

『127時間』

ダニー・ボイル監督独特の、ギラギラとした生命力に満ち、躍動感溢れる映像が、この映画のテーマにぴったり。人間の命と、大自然の営みとの戦いを鮮やかに映し出す。
アーロンが何を選択し、どう決断したか。生き抜く為に、彼が『127時間』の間にした事、感じた事、考えた事のひとつひとつが、キリキリと心に迫ってくる。

127時間 - 映画ポスター - 11 x 17 Soundtrack Soundtrack

谷底に挟まれ、身動きが取れないというシチュエーションを、これだけリズミカルに、スピード感を持って、開放的なイメージで描けるのはこの監督ならではでは。

岩肌の滑らかな美しさ、小さな虫たちの息づかい、渡り鳥の羽ばたき。大自然の荘厳さ、脅威の中に放り込まれた人間のか細さと、立ち向かう力強さ。

観ている間、観終わってからも、強く感じたのは、とにかく、アーロン・ラルストンという人の生命力のたくましさ。
絶望的な状況の中にあっても、自分を見失わず、客観的に見られる精神力の強さ。
そして、生き抜く為の決断力。

どんなに生への強い執着があったとしても、彼が実際にした事を、真似出来る人間はそういないのでは。
ただただ、彼の行動力に感心するばかりで、もし自分が同じ状況に陥ったとしても、何もせずに死を待つんだろうな、と自分のふがいなさを見せつけられた気がした。

この映画が特別なのは、主演のジェームズ・フランコの魅力に尽きるのではないでしょうか。
人懐っこくて、儚げな笑顔。洞察力のある真っ直ぐな眼差し。彼の全ての仕草、表情、動きに説得力があり、リアリティがある。

絶望と苦悶の表情がまたたまらない。彼の泣き顔のような笑顔が好きなのです。

アメリカで失神者続出とかいう噂を聞いて、相当ショッキングなシーンを想像していたのですが、思った程ではなくて、ホッとしたような物足りないような。
でも、その後、ラストまでの淡々としたカンジがまたリアルで、後からジワジワと痛みや恐ろしさが襲ってきました。

観ている間、すごく喉が渇いたのだけど、アーロンに悪くてお茶を飲めませんでした。

『スラムドッグ$ミリオネア』で2009年アカデミー賞最優秀作品賞・最優秀監督賞を含む最多8部門受賞したダニー・ボイル監督。
今作では作品賞、主演男優賞、脚色賞、編集賞、作曲賞、主題歌賞の6部門ノミネート。

脚本は『スラムドッグ$ミリオネア』に続きサイモン・ビューフォイ。

アーロン・ラルストン 奇跡の6日間
アーロン・ラルストン 奇跡の6日間
アーロン本人が書いた奇跡の6日間のドキュメンタリー。映画を観て、更にこの出来事の細部を知りたくなりました。


カチンコダニー・ボイル監督作品のエントリ
『スラムドッグ$ミリオネア』
『サンシャイン2057』

カチンコジェームズ・フランコ出演作品のエントリ
『トリスタンとイゾルデ』



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posted by bakabros at 22:35 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(25) | 外国映画
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