舞台の段階から松竹とコラボレイトしていたと言う事は、まず映画化ありきの企画だったのだろうけれど、映画を観た感想は、お芝居と歌舞伎、映画のいいとこ取りして訳わからなくなってしまった! という感じ。

劇中で市川染五郎が歌舞伎を演じる様にもろに歌舞伎的であったり、お芝居のセリフ、呼吸と思うシーンがあったり、それらを映画の中に詰め込んで、そこへ「英雄 ~HERO~ 」や「LOVERS」の戦いの中の愛とかワイヤーアクションとチャンバラ、VFXに特殊メイク、CGと舞台衣装やセットのような絢爛豪華な江戸絵巻。
そういう映画だった。
まず最初の鬼との戦いのシーン。いかにも安っぽい鬼のCG表現と、蛍光緑の血。
わざとやっているんだろうけれど、もう少し上手くCGを使えなかったのか、あまりにも酷くてのっけから引いてしまった。
お金かけて作られたのだろうに、Vシネマのような雰囲気で、宮沢りえのおきゃんな可愛さとか、市川染五郎の決めセリフや身のこなしの美しさが台無し。
頑張って良い所を見つけよう観ていたが、段々まともに観るに耐えられなくなり、途中からはトンデモ映画として楽しんだ。
そんな中でも宮沢りえと市川染五郎二人のシーン、それぞれ一人ずつのシーンは良くて、この奇想天外な映画の中でもさすがに画になる。
そこへ内藤剛志、樋口可南子などが入ってくると、映画が急にどこかで見たような手垢にまみれた画になってしまう。
渡部篤郎はいつもの過剰演技もこの映画にははまっていて、浮かずに役に合っていると初めて思ったけれど。
市川染五郎が鏡の前で髪に櫛を入れるシーン、美しい!
途中まではそれでも何とか持っていたが、宮沢りえが阿修羅になったあたりから、どうしようもなくトンデモな空気があふれ出してきて、もう真面目に見ている事が出来なくなってきて、トンデモだなあと思いながらプププッと笑いそうになっていた。

舞台版と映画版のセットパック、珍しいですね!
きっと、舞台を見たら面白いんだろうなあ、とは思って、舞台版が観てみたくなった。
映画にしてみたものの、方向を少しまちがってしまったような。
観たばかりの「コンスタンティン」と設定が似ていたのでどうしても比べてしまう。設定しか比べられなかったけれど。
鬼御門=エクソシスト、人間の姿をした鬼=ハーフブリード、恋をした女が転生して阿修羅王に=悪魔が人間界へ女から産まれるとか。
そういう風に観てみると、。。やっぱり余計に面白くないかも。
公式サイトは凝っていて、毬から裏サイトへ入れ、逆さまの世界が楽しめる。
観る前に用語集を観ておくとより映画を楽しめるかも??
「コンスタンティン」の感想記事


