セックスも、欲望も、突き抜けると少女漫画になる。
女の子おひとりさまにおススメ。
デートにはススメません。
空気人形 O.S.T.
原作は自虐の詩の業田良家の、20ページの短編コミック。
『誰も知らない』、『歩いても 歩いても』の是枝裕和監督が、『リンダ リンダ リンダ』のペ・ドゥナを主演に迎えた最新作。
これまでの是枝監督の作品では描かれなかったセックスシーンが、メタファーとして、時に直接的に、時に暗喩的に描かれています。
それはなんとも官能的で、生と死を繰り返すような、極限的なセックス。
「空っぽのからだに息を吹き込む」という行為が、性愛の根源のように思えてくる。
主人公はダッチワイフで、それに関わる表現も直接的なので、万人にはおススメできません。が、意外にも、観た後の気持ちは、切ない、ロマンチックなメロドラマを観た気分。
主人公の空気人形の視点が少女漫画チックなのも、観やすいと思います。
色んな映画のエッセンスが散りばめられているのも、楽しかったです。
ペ・ドゥナは『リンダリンダリンダ』に続き、最高のキャスティングですね。
演技力は勿論、人形っぽい顔立ちと体つきに、同性から観ても惚れ惚れしました。
ARATAさんは、人形っぽい顔立ちと話し方に、深読みさせられました。
板尾創路さん、オダギリジョーさんも、役柄からはみ出さず、とても良かったです。
これ、カンヌ祭で注目されましたね。
今年、初めて是枝裕和監督の作品を3本観たのですが気になるのが多かったです。
「誰も知らない」と並んで社会学を勉強をしてる人たちにとっての材料になりそう、、、。
>生と死を繰り返すような、極限的なセックス
性と死が重なるのって、SMに近いのかな??
そういうのってニガテで、あとで吐き気がしてくるんです。でも、マンガチックなんだ?そういえば「誰も知らない」も「幻の光」もくら〜いですが、暗い終り方ではなかったです。
是枝監督の作品、私も気になります。観ていた時の気持ちがそのまま後にもずっと残る気がします。
私は面白かったけれど、あまり万人にはおススメできない作品です。
性の表現が、具体的過ぎたり、ストレートだったり。
生と死を繰り返すようなセックス、というのは、文字通りなんですが……、ネタバレになりそうなので。でもSMではないですよ。
このシーンは、擬似的なセックスを、とても美しく描いているなぁと思いました。