ジム・ジャームッシュ


ブロークンフラワーズ
Broken Flowers: Music from the Film
結婚に踏み切れないドン(ビル・マーレイ
ドンが浮き名を流したのは20年前。かつての恋人が秘かに産み育てていたという息子探しの旅が始まる。ピンクの封筒と赤いタイプライターの文字だけが頼りの母親探し。果たして、ドンは息子の母親を捜し出すことが出来るのか!?
ドンは何事にも受け身で、何をするにもまず隣人のウィンストン(ジェフリー・ライト

ドンは本当に寂しいヤツで、携帯でも、ホテルの電話でも、かかってくるのはウィンストンだけ、というのがおかしかった

現在の恋人役のジュリー・デルピーから、かつての恋人を演じるフランセス・コンロイ、シャロン・ストーン

シャロン・ストーンの娘ロリータ役のアレクシス・ジーナと、ジェシカ・ラングの秘書役クロエ・セヴィニー
そんな中ゴージャスな女たちの中でも一番魅力的なのは、ビル・マーレイ

終始情けない困り顔だけれど、かつての恋人と再会する、初めの瞬間だけ瞳の色が変わる


愛と色気を湛えた、男の視線になるのがたまらなくキュートで、全てを許すシャロン・ストーンの役柄の気分になってしまいます

旅の途中で出逢う女達全てに男として反応している姿がまたおかし悲し。
ビル・マーレイは、昔の作品だと『恋はデジャ・ブ』が最高です。

軽いコメディという位置づけらしいですが、私にとってはタイムスリップ系ラブストーリーの名作!
『ブロークン・フラワーズ』を観ていて、ビル・マーレイが何度もビートたけしと重なりました。天才的なのに、照れ屋で、生きているのが恥ずかしいような佇まいが似ているな、と思っていましたが、えくぼとか、顔まで似ているように見えました。ただ単に、好みのタイプなだけかな

本当は色んな事が出来るのに、諦めがちでやる気のない男が、ある日ちょっとしたやる気を見せる。そんな力の抜けた風情がたまらなく魅力的です。
ジム・ジャームッシュ監督作品は、『コーヒー & シガレッツ』の前に観たのは、『ナイト・オン・ザ・プラネット』かな? という位久し振りです。『ストレンジャー・ザン・パラダイス』や『ダウン・バイ・ロー』とか、その当時は衝撃的でした



ジム・ジャームッシュ作品集 DVD-BOX 1989-1999
ジム・ジャームッシュ / アーリー・コレクションDVD-BOX (初回限定生産)
初DVD化の「パーマネント・バケーション」と「ストレンジャー・ザン・パラダイス」「ダウン・バイ・ロー」を収録した初回限定豪華4枚組DVD BOX。あの頃のジャームッシュを今また堪能したいです


ジム・ジャームッシュも今や53歳! ビル・マーレイが55歳ですから、見た目も本当に若いですね

そんな彼も、いい歳になったのでしょうか。
特に何も起きず平坦なストーリー展開。確かに主人公ジョンの心の中では何か変化が起きているのだろうけれど、それが外に向かってこない。
バックパッカーへの助言は、最大限の発信だったのかもしれませんが、父親として、未知の世界の息子へ向ける言葉としては、ちょっと物足りない気がしました。
大家族の隣人、ウィンストンとその家族達のキャラクターと、ジョンとの関係はとても良かったです。エチオピアの音楽も良かった

力の抜けたストーリー展開で人生の悲哀を漂わす、雰囲気作りはさすがです。
ただ、比べてしまうと『ロスト・イン・トランスレーション』の方がずっと好き。あの映画があったから、今、ビル・マーレイ主演のこの映画が出来たのでは? などと思ってしまいました。
これからも色んなビル・マーレイを観てみたいです

ぼくも、あの時間ファンタジーはタイプでした。
でも、ここに紹介されている画像を見ると、
まだまだあの頃は若かったんだなあ。
本当に若いですね! 主演女優がアンディ・マクドウェルというのがまたいいです。
今なら『恋はデジャ・ヴ』と書くのかな? とか思ってしまいました。
犬のウィンストンも黒犬だったり、最後の車の青年の風貌に「よく見つけてきたな〜」と思ったらエンドロールで素性が明かされたり、細かい遊びも充実してて大満足でした。
ビル・マーレイの為に書かれた脚本という感じがするほど、はまり役でしたねー☆
ラストの車の青年、って、全然わかりませんでした!
UTさんのコメントから調べてみると……、とんでもない事実がっ!?
そうなると、ストーリー自体が変わってくるような気もしますが、そんな色んな事でも謎を残してくれたこの映画への愛着が更にわきました♪