『プルートで朝食を』

『プルートで朝食を』試写。
北アイルランドからのイギリス軍撤廃と完全独立を求めるIRAによるテロ活動が活発になっていった頃、その個性により差別され、時代に流されていったある男の子のお話。
男娼に身をやつしたり、テロに巻き込まれて逮捕されたりというキトゥンの波乱の人生は時に痛いほどリアルですが、手作り感溢れるコマドリの視点とセリフや70年代のグラムロック、カラフルでポップなファッションなどによって、まるで綿菓子に包まれた大人の童話のように、ファンタジックに描かれていきます
過激なシーンも、キトゥンの裏声によるナレーションのセリフの面白さ、上手さによって感情移入して、より切なくなったり楽しくなったり
動乱の人生であっても、決して不幸には見えない、見終わってからの気持ちは『嫌われ松子の一生』と少し似ている部分があるかも

プルートで朝食を

posted with amazlet on 06.11.25

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今でこそトランスジェンダー、性同一性障害がドラマやニュースなどで取り上げられたりして、やっと認知され始めていますが、映画の舞台1970年代頃にはまだまだ、ゲイ、おかま、女装癖のある異端者として相当な差別を受けていたのだろうと思います。

彼がそんな時代でも堂々と自分の個性を貫いて生きていくことが出来たのは、子供の頃からの強い絆を持った親友達がいたからこそではないかと思いました。クルクルアフロの女の子チャーリーと、ロボット好きのローレンスとの関係はとても羨ましく思えました。

Patrick McCabeの原作小説の『ブッチャー・ボーイ』に続き、『Breakfast on Pluto』に魅了されたニール・ジョーダン監督は1999年から脚本を書き始めていたそうです。著者のパトリック・マッケーブも脚本に参加しています。


Breakfast on Pluto Breakfast on Pluto　原作小説


Breakfast on Pluto Breakfast on Pluto サウンドトラック

主演のキリアン・マーフィは、バットマン ビギンズでも印象的な役柄でリーアム・ニーソンと共演してましたね。



ニール・ジョーダン監督は『モナリザ』『俺たちは天使じゃない』『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』と好きな作品が多いです。


他の作品も観てみたいです

Comments

こちらにもお邪魔します♪
すごく私にはヒットしました！
そうそう、松子の世界観みたいですよね。
もうあの女っぷりと妄想壁には降参しました。笑
リーアム・ニーソンやその他おじさん達も結構笑えて良かったし音楽も洒落てました〜♪

Posted by charlotte at 2006年06月16日 17:21

charlotteさま。
香水で敵をなぎ倒し……、のシーンは本当に洒落ていて可愛くておかしくて好きでした♪
差別されるキトゥンの悲しみと、それをはねのけるだけのパワーと明るさがとても魅力的でした☆

Posted by bakabros at 2006年06月16日 18:01

ＴＢありがとうございます。
コメディだけど、シリアスな問題を扱っていましたね。
都内単館上映なのが残念です。

Posted by ふとんちっと at 2006年06月24日 07:20

ふとんちっとさま。
真摯に生きている姿もコミカルに見える、主人公が常にポジティブだから、周りも自然と明るくなるんですよね。
可愛くて洒落ていて、そして爽やかに心に残るような映画でした☆

Posted by bakabros at 2006年06月24日 12:34

ロボット好きのローレンスが死んじゃったときには泣く準備をしてたのに・・・すぐに次の章が始まっちゃうんですよね。
1章あたり３分くらいでした？？

Posted by kossy at 2006年10月08日 22:28

kossyさま。
ローレンスの死は凄く悲しいシーンでした。
そういえば、シークエンスがやけに細かく分割されていましたね。ふとした時に見返したくなるような素敵な映画でした☆

Posted by bakabros at 2006年10月09日 11:06