『ブレイブストーリー』

『ブレイブストーリー』試写。
日本のピクサーとまで言われるGONZO作品という事で、何か面白い物、新しい物が観られるかとちょっぴり期待。しかし、面白い物、新しい物は見つけられませんでした……。

ブレイブ ストーリー コレクターズBOX (初回限定生産)

posted with amazlet on 06.11.28

ワーナー・ホーム・ビデオ (2006/11/23)
売り上げランキング: 29

おすすめ度の平均:

特典映像が凄い！
現実から逃げてはいけないなと。
★ジブリやディズニーじゃなくても、名作は生まれる★

Amazon.co.jp で詳細を見る

そんな中でも、暗闇で走りながら涙が流れ飛んでいくシーンの漫画っぽい描き方と、広告の使い方だけは面白いなと思ったのですが、なにせ、絵が可愛いと思えない……。
人物はまあいいとして、カワイイキャラのはずの動物やドラゴンの子供とか、なんかポケモンちっくで個性がないような。それともああいう感じが今流行っていて、ファンが多かったりするのでしょうか。
ミーナの猫耳とか、皇女（？）のスタイルとか、今のアニメによくみられる姿形なので、
「これがイケテルのか!?」と問いながら観てました。


↑フィギュアの造型、特に人物は良く出来ていますね

ストーリーは、RPGゲームそのまんま。ゲームの世界には、必然とか理由とか意志とか葛藤とかはないので、ただ与えられたストーリーのレールに乗って言われるがままに行動していくだけ。その与えられた課題がいかに突拍子がなくっても、それをクリアしなければ先へ進めない。プレイした事がある人やRPG好きな人は、ゲームしている感覚でなんとか見られると思いますが、それ以外の人はついていけないんじゃないでしょうか。

ブレイブストーリーワールドガイド

posted with amazlet on 06.11.28

スタジオハードデラックス
宙出版
売り上げランキング: 4524

おすすめ度の平均:

｢公式ガイド｣と｢ワールドガイド｣
様々なブレイブ・ストーリーの世界への架け橋

Amazon.co.jp で詳細を見る

感情移入や共感する前に、作られた感のある取って付けたようなシチュエーションの数々にどんどん引いていってしまいます。
友情とか、仲間とか、信じるとか、勇気とか、正義とか、そういう物を声高に訴えられればられる程、嘘くさい気がしてくるのです。
そんな感じで見ていたので、必然性の作り方、子供が戦うという事、殺戮についてとかを考え始めてしまいます。
この映画は、ゲームの世界観、ゲームをする事の意味や問題点をあぶり出しているような気がしました。



「家族を救う為なら何をしてもいいのか？」という問いが主題になっていますが、その理由がやけに大人っぽい出来事で、その辺りもあまり子供向けでない気がしました。
また、映画の中の“現世・うつしょ”と“幻界・ヴィジョン”はまさに現実と虚構で、“ヴィジョン”というまるでゲームの中のような異世界での出来事を、“うつしょ”という現実世界と混同させるような曖昧な設定、結末も気になります。
これは子供に悪影響を与えてしまうのではないかとちょっと心配になりました


ブレイブ・ストーリー (上)
ブレイブ・ストーリー (中)
ブレイブ・ストーリー (下)
原作は宮部みゆきのファンタジー小説。なんとも腑に落ちない感じだったので、原作はどうなのか、読んでみたくなりました。

「ブレイブ・ストーリー」〜オリジナル・サウンドトラック〜
音楽は「マトリックス リローデッド」「マトリックス レボリューションズ」、「アニマトリックス」などに参加しているジュノ・リアクターによるものです。

アクアタイムズの主題歌“決意の朝に”

Comments

おひさしぶりです！
そうですか、GONZOは日本のピクサーなんて呼ばれてるんですか!?
そおいう宣伝の持って行き方がわからんなあ…
（;´_`;）ピクサーはフルCGならではの良さをはじめて世界に教えてくれ、逆にGONZOはセルアニメにCGの利点だけを取り入れるのが最高に巧いプロダクションですからね。
ただ、アニメファンとして言わせてもらえば、GONZOのすごさは生々しい動きもさることながら映像の奥行き感。残念なのはテレビアニメでのGONZOは傑作が多いのですが、初めての劇場版『銀色の髪のアギト』もシナリオが映像についていってなかった。
ついでながら、私はアニメの声に不用意な俳優の起用は大反対。bakabrosさんはいかがです？

Posted by よろ川長TOM at 2006年07月03日 10:09

よろ川長TOMさま。ご無沙汰してます！
GONZO作品を観るのは初めてで、セルアニメにCGの利点だけを取り入れる、という事すら知らずに観ていました。
『ブレイブストーリー』でも、CGとの合成シーンが見られましたが、ちょっと違和感がありました。なんとなく、凄い技術なのはわかるけど、それがあまり活きていないような気がしました。

声優については、その俳優さんだと全然気づかない位上手な方はいいんですけど、声だけ浮いてしまうのは辛いですよね。今回は脇の脇まで芸能人で固められていたので結構違和感ありましたねー。

Posted by bakabros at 2006年07月03日 14:28

おお、やはり違和感ありますか。でしょうねえ、声優という呼称もなかった昔は、俳優さんのアルバイトみたいな感もないではなかったですが、声だけの演技ではダメで、あくまで自分を殺して絵を活かす演技が求められるんですよね。（ガラスの仮面の北島マヤではダメなのよ）
声優をなめるな、って声を大にして言いたいです。
それと、CGと馴染みきってませんでしたか。どうした、GONZO。二作目がその調子ではあきまへんがな。応援してるのに…

Posted by よろ川長TOM at 2006年07月03日 22:46

よろ川長TOMさま。
最近、お笑い芸人さんがよく声優をしますよね。中にはとても上手な方もいらっしゃるので一概には言えませんが、なんとなく流行りとか子供ウケを狙っての起用が多いような気がしてちょっと気になっていました。
主役の声でその映画そのものの印象を左右してしまう事があるので、難しい問題ですよね。

CGは、ゲームの中の世界そのまま（プレイヤー、主人公とクリーチャーの質感の違いみたいなもの）を描こうとしたのかな？ と思いました。でもあまりその効果がなかったような。
CGだけでなく、ストーリーや演出の仕方も、「ゲームをしない人にこの感じわかるのかな？」とずっと思っていました。ゲーム好きの自分でもちょっとついていけなかったので……。
他の作品を観ていないのでなんとも言えませんが、よろ川長TOMさんお勧めのGONZOのテレビアニメ作品は是非観てみたいと思います。

Posted by bakabros at 2006年07月03日 23:29

TBどうもでした〜♪
絵は綺麗だった、満足できたのはその点だけですねぇ・・・
脚本も声優も大不満足です。

Posted by はっち at 2006年07月11日 21:30

はっちさま。こんにちは！
子供向けなのか大人向けなのか中途半端になってしまっている印象でした。
CG合成のようなシーンも、変わっていたけれど、違和感の方が大きかったです。ストーリーも不十分だった気がするし……。
最近はアニメーションにも期待度は高いので、今後は色んな面でもうちょっと頑張って欲しいですね！

Posted by bakabros at 2006年07月12日 00:00