2006年07月22日

『ライフ・アクアティック』

恵比寿ガーデンシネマ、『ライフ・アクアティック』『天才マックスの世界』『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』の二作で天才監督と言われるウェス・アンダーソン監督最新作。

『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』が、面白くても、あまり好きにではなかったので、『ライフ・アクアティック』も過剰な期待はせず鑑賞。
前作のジャージの代わりに、揃いのユニフォームと赤いニット帽。この監督は、連帯感を強く表す事にかなり執着心があるらしい。それが疑似家族だから、余計にカタチにこだわるのか。

lifea00.jpg海洋冒険家(って一体!?)のズィスー(ビル・マーレイ)とその仲間達チーム・ズィスー。プラス、息子と名乗り出てきた男(オーウェン・ウィルソン)、ズィスーを追いかける女性記者(ケイト・ブランシェット)、融資した銀行の監査役を乗せてベラフォンテ号は出航する。
幻のジャガーザメに、27年来の右腕エステバンを喰われた敵を取るため。プラス、ヒットする映画作りのために。

映画の中で、海洋冒険家で映画製作者でもあるキャプテン・ズィスーは、事あるごとに「カメラ回してたか?サイズは?」と、映画制作にあたって、面白い物は全てフィルムに取りあえずおさえる姿勢を崩さない。例え30年越しに初めて出逢った息子との感動的な会話でさえ、映画に使うためフィルムに収めようとする姿勢に、映画製作者の心意気と意地汚さを感じてとても楽しくなる。
映画を撮る人は、実際こうなのだろうな、というとてもリアルでオーバーな表現。それが楽しめるか楽しめないかでこの映画の評価は大きく分かれると思います。

lifea02.jpgリアリティのあるような、ないような設定と表現の中、突然事件が起こり、急にアクションスペクタクル映画に!
この辺から、ついて行けない人も多くいるのではないかと懸念したり。
突然ビル・マーレイが不死身のアクションヒーローになり、笑いが堪えられなくなる。情けなさ顔がたまらないです。

『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』の監督、ヘンリー・セリックが想像上の海洋生物を担当。そのCGとアナログのギリギリの所を本当に上手く魅せてくれる。
CGとわかっていても、現実にありそうな世界に見えてしまう、そのリアルさと嘘っぽさの境界線の絶妙さ!
本当にこういう生き物、いるよな、いそうと思わせる作り方は見事。

lifea03.jpgケイト・ブランシェット演じる妊娠中の記者の設定が今ひとつ深く伝わってこなかったのが残念。
話し方に癖があり、『アビエイター』のキャサリン・ヘップバーン役を引きずっているような印象を受けてしまいました。
妊娠中の記者との恋という設定は面白いと思ったのだけれど、設定の面白さだけで終わってしまった感じ。
ケイト・ブランシェットが演じたのが救いで、変に生臭くなったり現実的過ぎる事はなかったけれど。折角ケイト・ブランシェットが演じているのに、役の拡がりやストーリーとの繋がり、深みがなかったのが残念でした。

公式サイトでも聴ける、劇中でズィスーのドキュメンタリー映画用の音楽として使われるアナログ・シンセサイザーの安っぽい音楽が耳について離れないです。
劇中、これが流れているだけでもう楽しい気分に♪

lifea04.pngこの映画では、ビル・マーレイ以上にボケをかましてくれる、ウィレム・デフォー!
こんなにちっちゃかったとは!? これまでの存在感の大きさからは気づかずにいたけれど、ちっちゃくっても、全然OK!
今までにない素晴らしいコメディ演技を観せてくれました。
ビル・マーレイよりもおいしい所を全部持って行ってるかも。
ずっと好きだった人の違った一面を、圧倒的な力で魅せられるのはとても幸せな体験。

海の中の出来事の、CGと気づかないようなCG使い、その世界観。
ビル・マーレイ演じるズィスーとその疑似家族達の人間的な魅力。
ばかばかしさとその中に意味を見いだそうとする悪あがき。


そういう全てが今の私にはぴったりときて、心地よく笑わせて貰いました。
でも、次回作には期待しません。
ライフ・アクアティック」が好きだから。

ライフ・アクアティック ライフ・アクアティック

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ 天才マックスの世界
ザ・ロイヤル・テネンバウムズ 天才マックスの世界

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posted by bakabros at 18:50 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 外国映画
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