『マッチポイント』

『マッチポイント』（MATCH POINT）試写。ウッディ・アレン監督がニューヨークを離れ、初めてロンドンで撮影を行なったラブ・サスペンスという事で、どんな作品になっているのかと興味津々。オペラをバックに滑らかな語り口で、“運”というものに徹底的にこだわった心理描写はさすが。一作観る毎に新たな顔を見せてくれる、底知れない監督さんです。

Match Point

野心を隠さずどこまでもナチュラルなクリス。資産家の娘。その両親と兄。兄の婚約者。
玉の輿を狙う貧乏人が、リッチになっていく事にまつわる事柄を、普通の会話の中でさりげなく、でも直接的に表現していて、登場人物全ての心の根底に、何かしらの差別があるのという事を、とても自然にリアルに見せます。

野心的な元テニスプレイヤーで、女を足がかりにロンドンの上流階級へと仲間入りを果たすクリスを演じる ジョナサン・リース・メイヤーズは、はにかんだ笑顔と赤くなる耳がキュートで、追いつめられていく切羽詰まった時の苦悩の表情もまたいいです。『M:i:III』の時にはトムの陰に隠れてしまいあまり印象ありませんでした。
彼は現実に、幼い頃に両親に捨てられ孤児院育ちという経歴なのだそうです。
女優の卵という役柄のスカーレット・ヨハンソンも、そのままなのかしら?? とかつい勘ぐってしまいます。それも監督の狙い!?

スカーレット・ヨハンソン出演作はとりあえず観たくなる、今一番輝いている女優さん。『ブラック・ダリア』と同じようなフェロモンを振りまく奔放な役どころですが、はすっぱな感じのこちらの方がしっくりきてました。
激昂するシーンに、「そうそう！ 彼女のこういう熱い演技が観たかった！」と思わずニヤリ。

ウッディ・アレン監督の次回作にも出演が決定したのだとか。
新たなミューズとして、どんな輝きを見せてくれるのか、とても楽しみです

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脚本が緻密で、実にいいです。
ｼﾞｬﾝﾙを問われれば即答に難しい不思議で巧みな作品
随所にアレンらしさが窺える見応え十分のラブ・サスペンス。

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「マッチポイント」オリジナル・サウンドトラック

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サントラ エンリーコ・カルーソー モニカ・クラウス ゲオルク・ティッヒ スロヴァキア・ラジオ・シンフォニー合唱団 スロヴァキア・ラジオ・シンフォニー・オーケストラ アリーダ・フェラリーニ ヤネス・ロトリチ&イーゴリ・モロゾフ
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オペラにのせて繰り広げられる愛憎劇。オペラ観劇シーンも出てきます。

Match Point [Music from the Motion Picture]

『メリンダとメリンダ』の記事はこちら。
『さよなら、さよならハリウッド』の記事はこちら。
『ギター弾きの恋』の記事はこちら。

『M:i:III』の記事はこちら。

Comments

どうしてもTBがうまく行かず、出てまいりました。最近のウディ・アレンの中ではピカ一だと思います。スカヨハはこれから新作３本（何故かヒュージャックマンと共演二本）で上昇気流に乗っていますが、ジョナサン・リース・メイヤーズも化けそうで今後が楽しみですね。

Posted by rambler at 2006年08月16日 19:11

ramblerさま。こんにちは！
いつもお世話になっております。
ヨハちゃんは今一番好きな女優さんです。
ヒュー・ジャックマンって今までほとんど見たことがなかったのですが、ヨハソンとの共演二作とニコール・キッドマンとの共演作でグッと興味がわきました♪　
ジョナサン・リース・メイヤーズにも期待ですね☆。

Posted by bakabros at 2006年08月16日 23:53