『レディ・イン・ザ・ウォーター』

試写にて『レディ・イン・ザ・ウォーター』LADY IN THE WATER鑑賞。もとはシャマラン監督が子供達を寝かしつける為に毎晩聞かせていた、即興で作ったお伽噺だと知って納得。物語に入り込めなくても、なんだか惹かれるものがあるのはさすがです。まんまとシャマランマジックにかかり、観客として物語の一員にさせられてしまいました。

レディ・イン・ザ・ウォーター 眠れないベッドタイム・ストーリー
M.ナイト・シャマラン監督が初めて描く、お伽噺の絵本。

まず、導入部の説明が長い！ もう少し映画の中で、水の世界の物語を語って見せる事は出来なかったのか？
韓国人親子から語られる古くから伝わる神話そのままに、物語が展開していくのもなんだかなぁという感じ。

しかし、これまでの役どころを微塵も感じさせないポール・ジアマッティと、独特の顔立ち、スラリとした容姿と透明感で水の精・ストーリー役を演じきったブライス・ダラス・ハワード、２人の存在感と、アパートの一風変わった住人達のキャラクターの面白さなどでぐいぐい見せていきます。ジェフリー・ライト演じるクロスワード好き親子とか、右半身だけ鍛えているレジー役のフレディ・ロドリゲスとか、細かい設定がおかしいです。

映画「レディ・イン・ザ・ウォーター」オリジナル・サウンドトラック

肝心のストーリー自体にはあまり魅力はないのだけれど、このおとぎの世界に付き合っているのも悪くないような。まるでキツネにつままれているような気分。
シャマラン監督の面白いように、観客が遊ばれているなぁとも。
チャーリー・カウフマン脚本の『アダプテーション』を思い出しました。
シャマラン監督は、劇中“水の精”ストーリーから啓示を受ける作家役で登場し、自ら書いたオイシイ役を喜々として演じ、自分の映画で楽しそうに遊んでいる。今の映画界でも珍しいポジションにいて、自由に映画を撮れる立場だと思うので、これからもっともっとぶっ飛んでいって、常人の考えも及ばぬようなとんでもない映画を作って魅せて欲しいです

『ヴィレッジ』は観ていませんが、『シックス・センス』以降、どんどんはったりが効かなくなってきている気がします。それでも、好奇心を煽って見せる映像の感覚、センスが独特で、今回の予告編も、期待していない筈なのに、観たくなってしまう作りは、上手いなぁと思います。
今までの作品のように、最後まで引っ張って、謎そのものを見せないような事はなく、あっさりと謎の張本人“水の精・ナーフ”が冒頭から登場して、そのあっけなさには驚きますが、その後、普通の人々がお伽噺の中に自らの役割を見つけ目覚めていくという過程をストーリーの中心にした事は、良かったと思います。

全体的に、サスペンスやミステリーよりは、ユーモア・コメディに重点を置かれているような印象を受けました。
変に謎解きや展開を気にせずに、コメディだと思ってみると、結構楽しめる映画かもしれません。

レディ・イン・ザ・ウォーター 特別版

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おすすめ度の平均:

シャマラン監督の切れが見れないのが残念
あくまでおとぎ話。
素直に感動しました

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ヴィレッジ
更に凄く観たくなりました☆


ポール・ジアマッティ、ジェフリー・ライト、フレディ・ロドリゲス出演作
＊『シンデレラマン』
＊『シリアナ』
＊『ブロークン・フラワーズ』
＊『ポセイドン』

Comments

シックスセンスのような、あっと驚く、すごい結末を期待してたのですが、
そうゆう映画ではありませんでしたね。
謎解きも、私の理解力が足りないのか。。。
ちょっとわかりにくくて。。。

でも！なんていうんでしょう、
この雰囲気、好きです！

bakabrosさんのおっしゃるように、コメディ風のおとぎ話として楽しめばいいんですよね。
ヴィレッジ、私も見てみたいです。
雰囲気がこの映画に似てそうですもん。。。。

Posted by 百子 at 2006年09月29日 13:54

百子さま。
物語がセリフで説明されていくのが少し勿体ない気がしました。
でも、シャマラン監督の映画って、なんともいえない魅力がありますよね。私も好きです。

結構笑えるシーン、おかしなシーンが沢山あって、こんな感じだったかな!? とそれも意外でした。コメディタッチの風刺映画とかも面白そう☆ 色んな映画を撮って欲しい監督さんです。

Posted by bakabros at 2006年09月29日 18:53

ポール・ジアマッティが良かったです。シャラマン作品のダークな雰囲気に見事に溶け込んでました。

>期待していない筈なのに、観たくなってしまう作り

ホントなんだかんだでいつも観にいってしまいます。
TBさせていただきました。

Posted by at 2006年10月02日 06:24

ポール・ジアマッティ、良かったですね！
私も、なんだかんだいいながら、きっと次回作も見に行くんだろうなぁと思います(^_^;)

Posted by bakabros at 2006年10月02日 13:28

そうそう、コメディ色も強かったですよね＾＾）

結構理屈っぽいコメディって感じもするんですが（笑）
でも、そう考えると、面白いですよね〜。
このまま、監督は独自の道を突き進んで欲しいですね。

Posted by ぷちてん at 2006年10月03日 00:05

ぷちてんさま。
「理屈っぽいコメディ」っておかしいですね。
でも、まさにその通り！ 監督の手の平の上で転がされてる気分になりました。

Posted by bakabros at 2006年10月04日 00:18

シャマランの映画では、B級テイスト溢れる「サイン」が一番好きだったりします。
しかし、これはとりあえず退屈で・・・
どうにも全てがチグハグになってしまってた気がします。
コメディだと思って観る余裕がもてませんでした。残念！

Posted by ノラネコ at 2006年10月07日 02:27

ノラネコさま。
私は『アンブレイカブル』が結構好きかな？
なんだかんだ言いながらも、絶対に次回作も見ちゃうんだろうなと思います。
次回作に期待せず、楽しみにしています。

Posted by bakabros at 2006年10月07日 08:17

こんにちは、ケントです。
ＴＢお邪魔します。
この作品の予告編はなんだかドキドキするような感じでしたが、観てみると「ちょっと違うなぁ」という気がしましたね。つまらない映画ではないのですが、余りにもまっすぐ過ぎるし、ファンタジーとしては、お金のかけ方が足りない気がしました。

Posted by ケント at 2006年10月09日 16:18

ケントさま。こんにちは♪
確かに、予告編は良かったですよねー。
なんだかどういう見方をすればいいのかよくわからないような感じでしたね。
でも雰囲気はあるんですよね。さすがシャマラン、と改めてその底力を見たような気がしました。

Posted by bakabros at 2006年10月09日 22:07

もうネタバレ解禁していいかな。

さて、ひっそりと。

ストーリーを狙うのは『犬』もどき。
ストーリーを助けるのは『猿』もどき。
で、『犬猿の仲』（笑）。
で、鳶に油揚さらわれるってわけでした。

Posted by えい at 2006年10月15日 22:06

えいさま。
「犬猿の仲」、えいさんがシャマランと合わないという事なのかと深読みしていました(^_^;)

>で、鳶に油揚さらわれるってわけでした。
うまい♪

Posted by bakabros at 2006年10月15日 23:39