2006年10月30日

『カポーティ』

恵比寿ガーデンシネマにて『カポーティ』(CAPOTE)鑑賞。『冷血』を執筆中のカポーティが、それを生み出すのに、何を得て何をなくしたのか。淡々と描かれる抑えた映像が、カポーティの苦悩と恍惚を、静かに激しく訴えかけてきます。1960年代のアメリカ、その時代、文壇世界。自分もそこにいて、『冷血』を共に体験しているような臨場感、迫力を感じました。

カポーティ コレクターズ・エディション カポーティ &冷血 マスターピース・コレクション (初回生産限定)
カポーティ コレクターズ・エディションDVDは3/16発売。
カポーティ &冷血 マスターピース・コレクション (初回生産限定)は、1967年にリチャード・ブルックス監督・脚本で映画化されていた 『冷血』との2枚組DVD。

ティファニーで朝食を』を発表した翌年、新聞でカンザスの農夫一家4人が惨殺された事件を知り、これを文章にしたいと熱望する。調査と執筆に6年の歳月を費やし、殺人犯ペリー・スミスと深く個人的に関わり、ついにノンフィクション・ノヴェルという新しいジャンルを作り上げ、最高傑作を生み出したトルーマン・カポーティ。

トルーマン・カポーティ〈上〉 トルーマン・カポーティ〈下〉
トルーマン・カポーティ〈上〉
トルーマン・カポーティ〈下〉
軽妙洒脱、ハイセンスなジョークで常に周りの取り巻き達を笑わせるユーモアや、偏見・差別意識の強かった時代に同性愛者である事を公言していたことなど、とてもユニークで個性的な人柄、性格にどんどん引き込まれていきました。その才能ゆえに決して普通には生きられなかった人生はとても映画的。

カポーティ 冷血
カポーティ
ジェラルド・クラークによる映画『カポーティ』の原作。『冷血』と共にこちらも読んでおけば良かったなと思いました。
冷血 全ての始まりはこの作品から。

フィリップ・シーモア・ホフマンを見ているといつも思うのですが、凄く個性的な容姿なのに、スクリーンの中ではその時、その役柄にしか見えなくなるのがとても不思議です。今回のカポーティの独特の喋り方、立ち居振る舞いを自分のものとしたなりきり演技は、これまで以上の怪演。ワンシーンワンシーンの細かい息づかいが伝わってくるほどの繊細さで、最後まで目が離せません。

ペリー・スミスを演じたクリフトン・ゴンザレスJr.が、スクリーンに登場した瞬間、私もカポーティと一緒に息を呑みました。その容姿と雰囲気は『冷血』で読んだペリー・スミスそのもの。小説のイメージそのままの男がそこに現れて、息を吹き込まれていくことに興奮しました。

なぜカポーティが、もう1人のディック・ヒコック(マーク・ペルグリノ)ではなく、ペリー・スミスに強く心を惹かれたのか? なぜ『冷血』後、作品をひとつも完成させなかったのか? 映画の中にはない答えを、深く読み解くことが、この映画の面白さであり、魅力だと思いました。


冷血 『冷血』『カポーティ』と見比べてみたいです。

ティファニーで朝食を ティファニーで朝食を
カポーティといえばやはりこの作品。でもカポーティは、実はマリリン・モンローに演じて欲しかったのだとか。マリリンちゃんのティファニーで朝食を、観てみたかったです 目

名探偵登場 名探偵登場
なんと、トルーマン・カポーティ自身が大富豪役で出演exclamation 凄く見てみたいです。


カチンコフィリップ・シーモア・ホフマン、クリス・クーパー出演作品の感想記事
M:i:III』『シリアナ』『ジャーヘッド』『ボーン・スプレマシー

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posted by bakabros at 23:51 | 東京 🌁 | Comment(2) | TrackBack(11) | 外国映画
この記事へのコメント
いつも、TBありがとうございます。

この作品を見て、カポーティの性格の一端が分かったような気がしました。「ティファニー」か「冷血」が読みたくなりました。

それでは、またよろしくです!!
Posted by David Gilmour at 2007年04月01日 21:25
David Gilmourさま。
カポーティ、本当に魅力的で面白い人物ですよね。
私も改めて『ティファニーで朝食を』を読んでみたくなりました。
Posted by bakabros at 2007年04月01日 22:59
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