2006年11月21日

『寝ずの番』

上方落語界の重鎮・笑満亭橋鶴師匠の“寝ずの番”。お通夜の一晩に繰り広げられる、咄家一門の思い出話に歌、踊り。下ネタ満載のテンポの良いセリフと展開で常に笑わせ、くすぐられ、ふいに入ってくる師弟間の愛情や絆、人情噺にはほろほろっとさせられます。突き抜けたエロ、ぶっ飛んだエロはもうエロくない。逆に清々しささえ感じてしまうのでした。

寝ずの番 特別番 寝ずの番 寝ずの番
寝ずの番 特別番

映画監督の牧野省三を祖父に、マキノ雅弘を伯父に持つ 津川雅彦が、マキノ映画史100年記念に、マキノ姓を継ぎ、マキノ雅彦として、中島らも原作の『寝ずの番』を初監督。
監督の実兄である長門裕之が、上方落語の重鎮、笑満亭橋鶴役で出演。落語の場面、落語の喋りが凄く上手でびっくりしました目

笑満亭橋鶴師匠の臨終のとき。最期の望みは、「そ、そ○が見たい…」。
白羽の矢が立ったのは、二番弟子の橋太(中井貴一)の妻 茂子(木村佳乃)。果たして茂子は、おそ○を見せるのか!? という冒頭からのやりとりが最高におかしくて、ググッと心を掴まれます。
笑満亭一家のおかみさんである志津子ねえさんを富司純子、その息子で才能のない落語家の橋弥に岸辺一徳、弟子の橋次役の笹野高史、橋七役の田中章といったキャスティングが凄く良かったです。
特に中井貴一と木村佳乃は今までのイメージを一新する役柄と演技で、化けたのか、それとも今まで“地”を隠していたのか!? と思うほど。

寝ずの番 寝ずの番 寝ずの番
寝ずの番

原作は未読ですが、映画の中の、あの打々発止のやり取りが、原作にそのまま書かれていたら凄いなぁ、と感心しきりでした。
T0003991a.jpgとにかく始めから終わりまで、下ネタ満載でエロいのエロくないの! それも、直接的なシーンがあるのではなくて、交わされるセリフや歌合戦の歌詞などが下ネタだらけ。しかも、それを言うのが普段はいかにも真面目で上品そうな中井貴一や木村佳乃だというのがまた不思議で異常な感じ。

そして、ただエロと笑わすだけでなく、笑わせながらも泣かせられ、悲しみと思い出と楽しさの混じり合った、お通夜の夜の不思議な空気の中に自分もいるみたいな気分になっていきます。

下ネタ好きにはたまらない!? 下ネタ嫌いな人にもお勧め出来る、大人の粋な映画です。仲間でワイワイ言いながらDVDで観るのも楽しそうですが、これは是非映画館のスクリーンで観て、大笑いしてニヤニヤするのが大人の愉しみかと思います。

ハナシがちがう!―笑酔亭梅寿謎解噺 ハナシがちがう!―笑酔亭梅寿謎解噺
映画を観る前に丁度読んでいた、落語ミステリ『ハナシがちがう!―笑酔亭梅寿謎解噺』。映画の中でも富司純子が「あーちゃん」と呼ばれていて、へぇ〜、と思いました。落語家のおかみさんのことを「あーちゃん」と呼ぶんですね。

映画の中に、亡き師匠の得意な噺として上方落語屈指の長講酒ネタ「らくだ」が出てきます。
『ハナシがちがう!―笑酔亭梅寿謎解噺』の中にも出て来る噺。「らくだ」の噺をご存じない方は『寝ずの番』を観る前に是非一度観るか読むかしておくと、より映画を楽しめると思いまするんるん

映画のモデルは笑福亭松鶴師匠とその一門らしいです。故笑福亭松鶴師匠も「らくだ」がお得意の噺だったそうですね。

柳家小さん 落語名人集ぱーと2 らくだ/気の長短 桂文珍(6)「らくだ」-「朝日名人会」ライヴシリーズ8
柳家小さん 落語名人集ぱーと2 らくだ/気の長短
桂文珍(6)「らくだ」-「朝日名人会」ライヴシリーズ8
落語は出来れば映像で観たいけれど、CDでも良いし、本で読んでも、面白いネタはやっぱり面白いですかわいい

寝ずの番@映画生活

ブログランキングに登録しました!→人気blogランキングへrbanner.gif


posted by bakabros at 23:37 | 東京 ☀ | Comment(2) | TrackBack(5) | 日本映画
この記事へのコメント
お久しぶりです。古い記事ですがTB失礼します。

私も「らくだ」の話は好きで、小さいころよくおばあちゃんに笑い話で聞いていたのを思い出しました。本作ドエロな内容なんですが、落語家の話なので、リズムが良くて面白かったですね。
Posted by ももも at 2007年06月05日 11:50
もももさま。こんにちは♪
TB返させて頂きました。
この映画の下ネタは、テンポが良いのもあって許せちゃう感じでしたね。
「らくだ」を話して聞かせてくれたなんて、素敵なおばあちゃまですね! 
最近まで落語には縁がなかったのですが、今落語の面白さにはまっています(^^)
Posted by bakabros at 2007年06月05日 13:48
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック

寝ずの番
Excerpt: 歌と踊りと笑いと涙の人情喜劇。
Weblog: Akira's VOICE
Tracked: 2006-11-22 17:11

映画「寝ずの番」
Excerpt: 落語界の咄家のお通夜の席での数々のエピソード、艶話がメインだが破天荒で大胆でハチャメチャだ。こんなお通夜なら何度でも出てみたい・・!? 九州"ぼぼ"、関西&quo..
Weblog: 茸茶の想い ∞ ??祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり??
Tracked: 2006-11-23 02:40

【劇場鑑賞34】寝ずの番
Excerpt: 偉人が死ぬ前に遺した 最期の言葉は    ゲーテは 「光を、もっと光を・・・」 ベートーベンは、 「友よ拍手を!喜劇は終わった!」 トルストイは、 「私は..
Weblog: ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!!
Tracked: 2006-11-23 23:57

映画「寝ずの番」
Excerpt: まさかあの中井貴一の口から「お×こ」という言葉が連発されようとは!(爆) そん
Weblog: いもロックフェスティバル
Tracked: 2006-11-30 17:57

寝ずの番
Excerpt: 「寝ずの番」は津川雅彦が「マキノ雅彦」という名前で監督した初映画作品。笑満亭橋鶴から始まり、一門の通夜=寝ずの番の様子を描いた作品。この作品実はR指定。なんと言うかその「アッチ」の話がモロに単語でぽん..
Weblog: のす帖
Tracked: 2006-12-14 01:26
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。