2006年11月27日

『ニュー・シネマ・パラダイス・完全オリジナル版』

一番印象的だったのが、トト少年の顔が、アルフレードの手で覆われた後、一瞬で青年の顔に変わるシーン。あそこで終わっても良かったんじゃないかと思うくらい鮮やかで素晴らしいシーンでした。
郷愁を誘う、郷愁そのもののような映画。ラストシーンのジャック・ペランと同じくらいの年齢になった時に、家で一人で観て、心置きなく号泣したいような作品。

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フィルムケース入りのメモリアルバージョン! 映画好きにはたまらんですねカチンコ

映画好きには避けては通れない映画だと思いますが、実は今まで観た事がありませんでした。
良さそうな映画ほどスクリーンで観たいと思うので、リバイバル上映される度に見逃しながらも、スクリーンで観る日を待っていました。
場所はTOHOシネマズ 六本木ヒルズ。最新設備の巨大スクリーンで、公開当時のフィルムでの上映。音荒れと画面のキズ、汚れは凄まじかったのですが、この映画は、フフィルムで観てこそ、尚味わい深く観られる作品だなぁと思いました。
観たのは劇場初公開版に51分・60カットを追加された175分の『ニュー・シネマ・パラダイス 完全オリジナル版』。

この三時間のディレクターズ・カット版が評判悪かった事を考えると、なんとなく初上映版との違いも想像がつきます。
観ていませんが、おそらく、123分の初上映版の方が、無駄がなく、誰もが共感出来るような、一本の映画としての出来は良いのではないかと思いました。

30年ぶりに故郷へ戻り、初恋の人と再会し、若かりし頃の想いを遂げる…といっても、遂げ方があまりにも現実的な為に、観ている側のそれまでのトト少年、トト青年へ向けていた懐かしい思いが急に崩されて、夢が壊されたような気がしてしまうんですよね。

“映画館、映画そのものに憧れていた少年が映画監督として立派に成長していく”というストーリーで見ていくと、中年トトの故郷へ帰ってからの行動と描き方にびっくりしてしまうけれど、“一人の男性の、子供の頃から老年期までの追憶”という見方をすれば、リアルさもあるこの三時間の物語はまた違った良さが表れてくるような気がします。
完全版と元の映画と、これほど印象が変わる映画も珍しいですね。そう考えると、123分の初めの上映版は、凄く的確な編集・カットが行われていたんだな、とそこにとても感心させられました。

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エンニオ・モリコーネによるあのテーマ曲は、この映画を観た人にとっては忘れられなくなる程、とても印象的るんるん

11月27日に映写技師アルフレード役を演じたフィリップ・ノワレ氏が亡くなられたそうです。ついこの前映画を観たところだったので驚きました。この映画の中の彼の笑顔は、いつまでも映画ファンの心に残っていくのでしょうね。ご冥福をお祈りいたします。
トトの少年役のサルヴァトーレ・カシオは、俳優業からは足を洗い普通のお仕事をされているそうです。
映画を観た限りでは、老齢の巨匠が撮ったかのような雰囲気がありますが、ジュゼッペ・トルナトーレ監督は、この映画の撮影時、33歳だったそうですexclamation 今まだ50歳ですから、やっとこの映画のジャック・ペランくらいの年になったところでしょうか。これからどんな作品を撮ってくれるのか、楽しみな監督さんですね。

オフィシャル・サイト 2005年リバイバル
ニュー・シネマ・パラダイス@映画生活



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posted by bakabros at 13:46 | 東京 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 外国映画
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