
友近、ユースケ・サンタマリア主演の『酒井家のしあわせ』。
監督・脚本はこれが長編デビュー作となる呉美保(オ・ミポ)さん。音楽は山崎まさよしさんが担当。
関西の、山に囲まれたとある田舎町に住む、ごく普通の家族、酒井家。
ある日父親が「好きな人が出来た」と家出。ある日、町で偶然、家を出た父親を見つけた母親の連れ子である息子は、父親の様子を見て何かがおかしいと気づき始める……。
年上のバツイチこぶ付きである照美と結婚した、東京人の正和と、中学2年生の息子次雄、二人の会話や微妙な距離感がとてもリアルでした。上手く行っているようでも、実際には実の親子とは異なる、ステップファーザーと連れ子である二人の関係。ステレオタイプでない母親の再婚相手としての父親像が、ユースケ・サンタマリアのひょうひょうとした演技と相まって、新鮮で現実的な新しい、そして真実の親子像を見せてくれた気がしました。
友近さんの演じた“大阪のおばちゃん”がまたとてもリアルで迫力ありました。
舞台挨拶で「ブラからはみ出る肉あたりが主婦のリアリティを上手く表現出来たのではと思っています」と仰っていたのが、凄く格好良かったです。
長男の次雄役の森田直幸さん、ちょっぴりほっしゃん似で可愛かったです。ブーたれた顔つきや喋り方もまた良いですね。
再婚後に生まれた光役の鍋本凪々美さんもとても可愛くて良かったです。
ユーモア溢れる会話でポンポンと弾んで行くストーリーは、淡々としながらも丁寧に、うっとうしいけどたまらないほど温かい、家族の風景をとても自然に見せてくれます。
実際、深くお互い思い合っていても、会えばそっけない態度を見せたり、本当の本心は決して口に出来なかったりする。家族の愛や重みや繋がりの深さが、押し付けがましくなく、どこまでもさりげなく描かれていて、自分の家族についてを再考させられる、さわやかな風のような映画でした。

女が惚れる女だなぁと思いました☆
ユースケサンタマリア
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おすすめ度の平均: 



ユースケ・サンタマリアさんは、さすがの声量。舞台挨拶でもマイクを通さずに声が通ること! 意味不明のギャクに観客席の子供も大受けしていました(⌒∇⌒)