舞台はマンハッタンのホテル。ウェデングパーティのバンケットルームで、
10年ぶりに再会した昔の彼と彼女。近況を話しながらも、次第に核心に迫って行く。
『どうして出て行ったのか?』『あの時自分を愛していたの?』『今でも自分を愛してる??』
夜が明け、今日とは全く違う、新しい一日が始まるとき、終わりに見せる2人の表情が余韻を残します。

ほぼ全シーンを二つのカメラによって撮影され、全編デュアル・フレームで編集された
『カンバセーションズ』(『CONVERSATIONS WITH OTHER WOMEN』)。
全テークを通して撮影される為に、俳優にとっては大変な「長回し」になる訳ですが、
観ている時はそういう事にはあまり気が行かず、とにかく微妙に違う角度から撮影されて真ん中で一つになっている、コントのような映像に目がついて行くのがやっと。
二つの画面で、男の視線、女の視線、現在と過去が同時に映し出されるという事らしいのですが、
観たところ、どちらがどちらの視線とかはっきりと表現される訳でもなさそう。
ただ2人をメインに追っているそれぞれのカメラの映像という感じ。


綺麗に見せたい外面の裏側の、実際の気持ち、行動といった場面もありましたが、
それもほんの少し。解説から『ヒー・セッド、シー・セッド〜彼の言い分、彼女の言い分』のような映画を連想しましたが、そういう訳でもなく、デュアル・フレームの意味や、普通に撮ってたらどんなだったのだろう? などと考えてたりしてしまいます。
演じた2人はこの「撮り直す必要のない」ワンテイクの撮影方法は、
気持ちを途切れさせる事がないのでとてもやりやすかったそう。
そういう自然な気持ちの流れはすごくよく感じました。
主演は、すっかりティム・バートンの奥さまというイメージのヘレナ・ボナム=カーターと、
今、乗りにのっているアーロン・エッカート。
2人とも脚本に惚れ込んでの出演だったそうです。
この2人だから観たいし、最後まで飽きさせずに観られます。
酸いも甘いも噛み分けた落ち着いた大人の魅力がありますね。
2人の若かりし頃を演じるノラ・ザヘットナーとエリック・アイデムが凄くピュアな感じで眩しく描かれいて、とても良かったです。特にノラ・ザヘットナーは可愛い☆
ほぼ全編、音楽なしで、本当にずっと2人が会話しているだけの会話劇で、2人以外の登場人物も(過去の2人以外で)台詞があるのは2人くらい? しかも一瞬しか出て来ない。
そんな常に緊張感を伴った映像なので、クライマックスで使われるカーラ・ブルーニのフランス語の主題歌や挿入歌がとても印象的。
ケルカン・マ・ディ 〜 風のうわさ
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カーラ・ブルーニ
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おすすめ度の平均: 




スーパーモデルから華麗な転身を遂げた女性シンガー、カーラ・ブルーニが唄う
主題歌「J'en Connais」の他、劇中使用曲2曲を含むアルバム『ケルカン・マ・ディ 〜 風のうわさ』。
あの主題歌をチラッと聴いただけで、この映画が観たくなってしまうような、素敵な曲

監督のハンス・カノーザは、宗教上の理由から芸術を禁じられ、子供時代の大半を東南アジア各地の伝導施設で過ごしたという異色の経歴。長編二作目の本作で、2005年東京国際映画祭審査員特別賞。ヘレナ・ボナム=カーターも主演女優賞を受賞しています。
脚本は『天国からはじまる物語』などで知られる小説家ガブリエル・ゼヴィン。ハンス・カノーザ監督のライティングパートナーで、次回作も脚本を担当しています。この2人の次回作はどんな作品なのか気になります。
He Said She Said
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『ヒー・セッド、シー・セッド〜彼の言い分、彼女の言い分』
ケビン・ベーコン、エリザベス・パーキンス主演。男と女の恋愛におけるそれぞれの言い分を両方の側から描いたラブコメディ。
男の言い分の前半を男性監督(『旅するジーンズと16歳の夏』のケン・クワピス監督)が、女の言い分の後半を女性監督(マリサ・シルヴァー)が行うという画期的な映画。
凄く前に観たのですが、私の周りで未だに語りつがれている傑作。
男と女の本音爆発で笑えます(⌒∇⌒)


『ティム・バートンのコープス・ブライド』『チャーリーとチョコレート工場』『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』『サンキュー・スモーキング』『ブラック・ダリア』
この映画のことよりも、
『ヒー・セッド、シー・セッド』の方に反応してしましました(^-^;
この映画、おもしろかったですよねー☆
知っている人はあまりいないかな、と思っていたのですが、
『ヒー・セッド、シー・セッド』、ご存知なんですね(^^)
同じシーンを繰り返しても、男側と女側からの視点が全く違うところが面白かったですね(⌒∇⌒)☆
映画祭で鑑賞したので、もうだいぶ記憶が薄れてきてますが、洒落た会話が素敵な映画だったなと思います。
挿入歌や脚本家のご紹介も有難うございます!そうですか!またコンビで映画を作るのですね?それは楽しみです♪
『ヒー・セッド、シー・セッド〜彼の言い分、彼女の言い分』は知りませんでした〜面白そうですねぇ〜ちょっとメグ・ライアンの『恋人たちの予感』を思い出させるような・・機会があったら観てみたいです。
TBさせて頂こうと思ったんですが、どうも上手くいかないようですので、URL入れさせて頂きました。(^^)/
タイトル通り、大人の本音と建前が交錯する会話が興味深かったです。
音楽も良かったし、この脚本監督コンビの次回作、気になります。
『ヒーセッド、シーセッド』もちょっと変わった作りの映画ですが、本当におかしくて大好きな映画です(^^)
TB、こちらからさせて頂きますね♪ また是非遊びにいらして下さいね(⌒∇⌒)☆