スコットランドの黒い王様 人肉を食べたという噂のアフリカの独裁者、アミン大統領をモデルにした映画の原作小説。
The Last King of Scotland
The Last King of Scotland 洋書版ペーパーバック。
史実を元にした実話ベースの物語と思っていましたが、原作小説はアミン大統領の数々の奇行話をもとに、アミンと交流のあった数人の欧米人をモデルに作り上げられた、ニコラスという1人のスコットランドの青年医師の視点から描かれます。
アミンに気に入られ主治医となり、次第にウガンダの建設や政治に深く関わって行き、腹心となったニコラスは、ついにアミンの本当の姿を知り、ウガンダから逃げ出そうとするが、その道は既に閉ざされていた。という完全なフィクションであるニコラスのストーリーが、アミン大統領をはじめとする実在の人物や、エア・フランス機のハイジャック事件などの歴史的な出来事をリンクして、まるでドキュメンタリー映画のようで、それ以上の迫力とドラマを感じさせるとても見応えのある作品でした。
実話とフィクションが絶妙に絡み合って紡がれていくスピーディな展開に目が離せません。一つ一つの出来事やストーリーが、もの凄く胸に迫って来ます。
1972年、アミン大統領は国連事務総長宛に、ヒトラーの第二次世界大戦における大虐殺と、パレスチナ人テロリストによるミュンヘン・オリンピックのイスラエル選手団殺害を支持する旨の電報を送ったという事実に彼の思想と、独裁者としての資質、ふてぶてしい傲慢さや行き着く先が見える気がします。このイディ・アミンという人間のおぞましくも魅力に満ちた人物の多面性を、フォレスト・ウィッテカーが実にリアルに、生き生きと演じていて、スクリーンの中の生命力溢れる姿に魅了されます。
ニコラス役のジェームズ・マカヴォイは、『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』に出ていると聞いて、もしやと思ったら、やっぱりタムナスさんだったんですね〜!線が細くてちょっとひ弱な印象が最後までありました。アミンに翻弄されていくにはぴったりなのですが、ニコラス役の物怖じしない性格や物言いの人物像には少し物足りなさも感じたり。でも、見ていて危なくてヒヤヒヤさせる感じは凄くあったので、やはり良いキャスティングだったのかなとも思います。
監督は『ブラックセプテンバー ミュンヘン・テロ事件の真実』でアカデミー賞長編ドキュメンタリー部門を受賞し、『運命を分けたザイル』で英アカデミー賞の最優秀英国映画賞を受賞したケヴィン・マクドナルド。
ドキュメンタリー出身監督らしく、カメラの視線を感じさせるズームインや、目にも留まらぬ銃撃シーンのカット割り、音の使い方には、無条件に強い恐怖の反応をさせられました。
拷問や屍体のシーンの見せ方が凄く上手くて、映画として想像している以上のインパクトある映像にギョッとします。
撮影は『ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド』、『28日後...』のアンソニー・ドッド・マントル。
脚本は『クイーン』で本年度アカデミー賞脚本賞ノミネートのピーター・モーガン。
ウガンダでは、この独裁者に対して今も人々の気持ちが二分しているらしいです。
アミンが死んだ日を国民の祝日として祝いながら、アミンを尊敬している国民も未だにいるという事実に、この人の多面性と、抗えない魅力のようなものを感じました。
ラストキング・オブ・スコットランドDVD
The Last King of Scotland
物語を引き立てる、全編に流れるアフリカン・ミュージックがとても良かったです。
物語のはじめのムガンボ村の裸足の子供たち、原色の自然から、ニコラスがアミンに呼ばれ向かう首都カンパラへと移動していく車の窓から見える空は、同じウガンダでも180度世界が変わった事を暗示させるような白々とした空。スクリーンからの温度と湿度までが変化したような気がしました。

ブラックセプテンバー ミュンヘン・テロ事件の真実
運命を分けたザイル
『ブラック・セプテンバー ミュンヘン・テロ事件の真実』は、映画『ミュンヘン』を観たときも気になっていたドキュメンタリー。『運命を分けたザイル』も評判が良かったし、『ラストキング・オブ・スコットランド』を観てから増々興味がわいて観たくなりました。




いや〜、ほんとにこの映画は怖い映画でしたよ。
フォレスト・ウィテカーが演じていなければ、観なかったかもしれない作品でした。
映画を取り巻く色んな状況の下で、この映画と出会えた事を嬉しく思います。
ウガンダで、アミンという独裁者に対して国民の気持ちが二分しているというものが映画を通しても極端に描かれていましたが、死んだ日が今国民の休日となっているとは知りませんでした。
映画では語りきれないものだったんですね。
アミン大統領のした事や過去の過ちを忘れない為に、
死んだ日を祝日としているんだそうです。
日本では考えられないようなことですが、ウガンダという国の、戦いの歴史を感じさせるエピソードだと思いました。
タムナスさんでしたねぇ〜。
ほんっとわからないですよ。
しかも、スカリー捜査官もわからなかった。。。
人食い大統領の異名をとるなんて、凄いですよね。
冷凍庫には人頭が入ってて抗議をうけたとか。。。
ウィティカーの演技は真に迫るものでしたね。
そこらへんのホラーよりも怖かったです。
人間が一番怖いのかなぁ。。
タムナスさんと知っていたら、ずっと頭から離れなかったかもしれないので、気づかなくてよかったかも!?
人間が一番怖いって、本当ですね。
最近、実話を元にした映画が多いので勉強になります。
最近は、最近は本当に勉強になる映画が増えてきて、アフリカの現状にも少しずつ目を向けられるようになってきました。
タムナスさん、俳優としての名前よりもそちらが頭に残って困ります。
TBさせていただきました。
アフリカがテーマの映画、とても増えてきましたね。
映画を観る事で色んな意識を高められています。
私も、「タムナスさん」として覚えていました(^^)☆