2005年08月09日

「ギター弾きの恋」

何度も出て来る「俺は世界で2番目のギター弾きだ」というセリフ。

主人公のエメット・レイ(ショーン・ペン)本人だけでなく、周りの人間達もそれを公然と認め、そこに卑下する気持ちや嫌みなど、ネガティブな感情はなくて、むしろ自慢げにそう言う。

「俺は天才ギタリストだ」というセリフも何度もあるが、必ず後に「この国では」とか、「ただ一人を除いてね」といったフォローがあって、本当にいじらしくなる。

劇中何度も名前の出て来る、“世界一のギタリスト”ジャンゴ・ラインハルトこそが、天才なのだと思う。

そんなジャンゴを尊敬し、憧れ、畏敬の念を持ち、神のように崇拝し愛する、二番目の男の物語。

勿論彼も天才ギタリストなのだけれど、彼が二番目だという事に意味があるのだと思った。

女たちには「あなたは自分の殻に閉じこもって、感情を解き放てないから、ギターも成長しない」と言われる。

そうやって言うのは女たちだけだけれど、果たしてそれは本当なのだろうか。
本当にそうだから、女しか言わないのだろうか。
そして、唯一彼をそう責めなかった、口のきけない娘ハッティ(サマンサ・モートン)を愛するようになる。

ハッティと出逢った事で変化していくエメット。
あまり踏み込まない、大きな視点で見守るように描かれる二人の関係は、観ていてとても心地が良かった。

エメットと、ジャンゴのギターが聴きたくなった。

ギター弾きの恋
ギター弾きの恋
posted with amazlet at 05.08.09
メディアファクトリー (2001/10/26)
売り上げランキング: 2,721
おすすめ度の平均: 4.46
4 感情を解き放てぬままの音は哀しく響く
5 憎めないよー
4 とかくミュージシャンという奴は




ウッディ・アレンの脚本、出演作では彼の映画デビュー作『何かいいことないか子猫チャン』が大好き!
この映画のDVDが出ていないなんてexclamation&questionと思っていたら、やっと出してくれました!
何かいいことないか子猫チャン 何かいいことないか子猫チャン
コメディ、ラブコメディ、お色気コメディを語る前に、是非ご覧あれるんるん

カチンコ「さよなら、さよならハリウッド」カチンコ
カチンコ「メリンダとメリンダ」カチンコ



ブログランキングに登録しました!→人気blogランキングへrbanner.gif


posted by bakabros at 02:52 | Comment(0) | TrackBack(2) | 外国映画
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック

「ギター弾きの恋」 愛を伝える
Excerpt: 1930年代のシカゴ。エメットは才能に恵まれたジプシージャズのギタリスト。音楽に身を捧げる一方、娼婦の元締めという顔をもつ。女遊びにも目がなく、自堕落な生活を送っている。ある日、ニュージャージで、口の..
Weblog: 映画のセリフで口説いてみない?(男性版)
Tracked: 2005-11-01 06:29

ギター弾きの恋【1999・アメリカ】
Excerpt: メディアファクトリー ギター弾きの恋 ★★★★☆? 原題『SWEET AND LOWDOWN』 (上映時間 95分) 監督: ウディ・アレン 製作..
Weblog: Happyになれる映画を観よう♪
Tracked: 2006-03-16 18:05