今回は監督、脚本に徹して出演なしのウッディ・アレン
ラブストーリーなので、ウディ・アレン本人が出てこない事にホッとしつつも、それもちょっと物足りないような、複雑な心境。
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (2006/08/18)
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主人公は、メリンダ?
性格の対比がおもしろい同じバックグラウンドを持つ一人の女性メリンダが、ある地点から悲劇と喜劇へと分かれていくというよくあるストーリーと思っていた。
「スライディング・ドア」のような。
違う人生を歩み始める二人のメリンダを同時進行で追うのではなく、全ては劇中劇として語られていく。
悲劇と喜劇の主人公メリンダを演じるのはラダ・ミッチェル
そしてメリンダ自身のキャラクターも大分違う印象。
悲劇のメリンダは辛い過去を独白する重苦しいシーンが多く緊張を強いられる。
悲劇と言っても、よくある恋愛と友情のもつれ、三角関係とかそう言った話なのだが、クロエ・セヴィニー
そこへ挟み込まれる喜劇中で、メリンダとメリンダに恋する男、ウィル・フェレル
アップテンポのジャズとウィル・フェレルの軽妙な演技に乗せられてほぐされ、ホッとしたような笑いが生まれる。
悲劇と喜劇は表裏一体、人の数だけストーリーがあり、見方によってどうにでもなると言う事。
メリンダとメリンダ オリジナル・サウンドトラック悲劇と喜劇を描き分ける為に使われる音楽がとても印象的。サイトのイントロダクションにある、“ウディ・アレンとあなたで、あなた自身のラブストーリーを作ってみませんか?”という一文がこの作品をよく表していると思う。
チラシ等でも、ポップで女の子受けするような作り、文面で「あなたはどちらのメリンダを選びますか?」とか、恋愛のヒントが見つかるかも?という宣伝文句。
鵜呑みにしてはいなかったけれど、やはり内容は観る前に思っていたものとは全く違っていた。
この映画をラブストーリー、しかも恋愛のヒントを得られるかも?という視点で見ることほど野暮な事はないのではないだろうか。
悲劇をしっかりと描く事の出来る監督が、悲劇対喜劇というカタチを取って観せてくれる、一級品の喜劇なのだから。
ウディ・アレン監督作品の感想記事
『マッチポイント』『さよなら、さよならハリウッド』『ギター弾きの恋』




