始まる前からこんなにドキドキする事はいつだったか。ビッグ・フィッシュ以来?
観終わって、やはり、私が観たいと思っていた映像が、それ以上の映像を、思っていた以上のせつなさと深い内容で魅せてくれた。
これからしばらくは、この映画の事が頭からはなれなくなるだろう。「エターナル・サンシャイン」に恋をした。
公式HPでバングルスの「エターナル・フレーム」のカバーが使われている。これがテーマ曲として使われると、映画がチープになってしまいそうで心配していたけれど、映画には使われていなかったのでホッとした。
映画で使われる音楽は今までのカウフマン脚本作品と同じ、不安定で、不安にさせる音楽で嬉しかった。
もの凄くヘビーな映画だった。さらっと見過ごせば、見ないふりをすれば、通り過ぎていく数々のシーン。
恋人とどう出会って、どう過ごして、今の自分があるのか。
二度と戻らない初めてのドキドキと新鮮さ。どうやって、いつの間にか、こんなヒドイことになってしまったのか。
恋愛の初めから終わりまで、そして終わった後の悪あがき、繰り返し、もう戻れないのに。
そんな苦しくて、痛くて、切ない、一番見たくない所をすべて見せてくれる。
それはさりげなく、ジム・キャリーのお陰で時にコミカルに味付けされているので見過ごしてしまいそうだけれど、とても鋭く深く胸に突き刺さってくる。
この二人はまた同じ事を繰り返すのだろうと思うと、もっと切なくなる。
キャッチコピーは『また恋がしたくなるラブストーリーをあなたに』なのだけれど、私には『やっぱりもう恋はしたくない』と思わせる映画だった。
今までチャーリー・カウフマン
記憶と覚醒のなかの空想、現実を繋ぐ映像が自然で美しい為に、どこからどこへ移ったのか見逃しそうになる。
彼女(ケイト・ウィンスレット)との記憶の中を旅するジョエル(ジム・キャリー)の頭の中の映像の疾走感は、どうやって文字で表しているのか!? これが監督ミシェル・ゴンドリー
この映画のジム・キャリーは最高にキュートでセクシーで魅力的。女性に免疫がなく、誘われてもどうして良いかわからずにいるシャイな様子や、地団駄踏んで顔がぐしゃぐしゃになってイーッとしている姿も最高に可愛い。しぐさや動きだけで笑わせる身体は本当に素晴らしい。年齢を重ねてもっといい男になりそう。
ケイト・ウィンスレットも、今まで観た中で一番チャーミングに輝いていた。こういう奔放な役をやるととてもはまる。演じたクレメンタインという役の酒にだらしない所、自分と重なって身につまされる。
一度観ただけでは細部まで把握出来なかったので、また、何度でも観たい。観るたびに違う想いを抱きそうな映画。



