二回観たら、もっとせつなく、さらに複雑になった。
観た後のツライ気持ちは少し軽くなった。それは、結末や未来よりも今を大切に思う事、たとえ不幸な結末に終わるとわかっていても、どうしようもなく惹かれ合う人、惹かれ合う時があるということ。
それまでのその時、その二人はきっと幸せの絶頂にあるくらい、愛し合っているのだから。
*(ネタバレしているので観る前の人はご注意下さい)*
二回目、見終わった直後は、初見と同じように切なさを重く感じたけれど、全体を把握してまたよく考えてみると、全くのやり直しにはならないのではと思うようになった。
くされ縁という物、愛し合いながらも、どうしようもなく傷つけ合いを繰り返してしまう二人がいる。もしお互いに今までの記憶がなければ、まるっきり、映画のように初めての出逢いと同様の時期を経て、また同じ結果にはなってしまうのでは? と初めは、思った。
しかし、記憶がないと言っても、一番ヒドイののしり合いを聞いて知っている。
これから愛し合う、初めにそれを知っていたら??
いずれそうなったであろう二人の結末を真摯に受け止めて、これから始まる二人のつき合いの中、思いやって行けるかもしれない。
記憶を消しても、再び同じ人と愛し合うようになるのなら、何も変わらないのではと思っていたけれど、キルスティン・ダンストが演じるメアリーが、トム・ウィルキンソン演じるDr.ハワードと同じ事を繰り返しそうになった時、記憶を消した事が結局二人を幸せな別離へと導いたのだし、クレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)とジョエル(ジム・キャリー)も、記憶を消していなければ、再びやり直そうとしなかったかもしれない。
こう考えると、“記憶を消す”という装置は、別れの時や、上手く行かない時によく思う、“出逢った時の頃の気持ちを思い出す”という事なのかもしれない。ただ、それを実際にするのはとても難しい事。しようと思っても、簡単に出来る事じゃない。
だから、もし、これから、なんでこんなことになってしまったのか? あんなに愛し合っていたのに。という状況におちいってしまったら、まるで記憶を消してしまったかのように白紙の一ページ目に戻り、これまでの自分を忘れてもう一度初めから始めてみると、新しい自分も見えてくるかもしれない。
あれ!? もしかしてこの映画って、初めからそういう事だったのか?
そう言えば、初めからみんなそういう感想を持っていたようだったし。
一回目では、すっかり感情移入し過ぎて、ストレートな映画のメッセージを受け取れなかったのか。
素直に観たら、普通にこういう感想に落ち着くのだろうか。
でも二回観た事によって、さらに深く理解しようとし、考えを深める事が出来たのでとても有意義だった。
そして、出逢いまでのシーン、三回目でもわからなかった事が、最後の四回目でやっと!わかった。
大した事ではないけれど、何回も観ないと見逃してしまうこと、もっとありそうで、もっとこの映画が好きになった。


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