以前、3巻が出たばかりの時、近所の本屋を探し歩いたのだが見つからず、もう少しで店員さんに「バカ姉弟 3巻ありますか?」と聞きそうになった。

本当は勇気を振り絞り、聞きたかった。
でも、聞けなかった。
「バカ姉弟」って。
言えないよ。
「バカ」という言葉は知らない人の前で口にしづらい。
でも、例えばアントニオ猪木詩集「馬鹿になれ」とか、「空手バカ一代」なら、まだ男気があるというか、格好良い感じもするし、何よりもそのタイトルや著書が有名なので、本屋さんで口にしてもおかしくない感じがする。
養老 孟司著の「バカの壁」なんて、大ベストセラーで、タイトルその物が流行語にもなった位なので、こちらも恥ずかしい思いをすることなく、口に出せるのではないだろうか。
でも、「バカ姉弟」はどうだろうか。
「バカ」で、しかも「姉弟」。
一人でもバカなのに、姉弟でバカ。(漫画の中のご姉弟は決してバカじゃありません)
それが漫画のタイトルなのだ。
そんなタイトル本屋で言えないよ。
でも、先日「団地ともお」をクリアして、その際の店員さんの応対に、これは「バカ姉弟」もイケそうだぞ! 恥ずかしくなんかないんだ! という自信をつけたので、5巻が出て、もしまた見つからなかったら、勇気を出して言ってみようと思う。
『「バカ姉弟」ありますか?』と。






















家族がジャケ買いしてきた漫画の表紙を見て、「何これ〜!?」と思った。
丸っこくて小さい女の子と男の子。絵本のよう。可愛い絵に似合わないタイトル。
もし本屋でこれを見つけたら、やはり自分も、滅多にしないジャケ買いをしていたと思う。内容も何もわからなくても絶対そこに何かがある! と思わせる絵とタイトル。
そしてやはり何かはあった。
巣鴨の町内の人々、老人達、町に育てられるみなしごのような二人の姉弟。
三歳(推定)ながら、大人よりもしっかりと生きている。
周りの大人達、子供達を翻弄し、翻弄され揉まれながらも力強く育つ。
魅力的なのは、夏祭り、盆暮れ正月といった古き良き日本の下町の風情。
人と人との繋がりや毎日の営み。
雷電好きのおねいとバイカルアザラシ好きのおとうと。
汚れなき三歳児は仏の心にも通じる。
しっかりと大人びていながらも、やっぱり子供。
そんな二人と一緒に遊びたくて、何度も何度も読み返す。
まるで子供の頃に好きだった絵本のように。
安達 哲
講談社 (2002/06/06)
売り上げランキング: 4,042
講談社 (2002/06/06)
売り上げランキング: 4,042
おすすめ度の平均: 





地球はまるい。おでこもまるい。
そしておなかも。
巣鴨の町からコンニチワ。
仏様のようなバカのようなご姉弟。
そしておなかも。
巣鴨の町からコンニチワ。
仏様のようなバカのようなご姉弟。

2巻から初版限定のバカ姉弟シール付き!
保管用に二冊どうぞ。

バカ姉弟もランクイン!