2005年09月11日

「ムーラン・ルージュ」

ムーラン・ルージュ
早稲田松竹にて「ムーラン・ルージュ」鑑賞。
2001年に劇場公開を観た後しばらく、映画で使われるポップナンバーが頭をはなれなかった。

映画にヒット曲を使用する事があまり好きではなかったけれど、この映画を観て、あまりにも堂々と数々の大ヒット曲をサンプリングするその突き抜けた使い方に、驚きと興奮と快感を覚えた。
観る前は、トンデモ映画かと不安の方が大きかったと思う。
それが、圧倒的なスピード感と独特のキッチュでポップな映像、そして耳慣れたヒット曲の洪水に気持ち良くのみ込まれてしまった。

時は1899年。妖艶な魅力に溢れた悪名高いパリのナイトクラブナイトクラブ“ムーラン・ルージュ”。狂ったような激しいビートにのって踊りまくる、フレンチカンカンの毒々しい踊り子達と欲望むき出しの男たち。クラブというよりもサーカスのような狂乱の舞台。

サティーン(ニコール・キッドマン)は“輝くダイアモンド”と謳われるムーラン・ルージュのスターにして、パリで最も有名なコーティザン(高級娼婦)。彼女は若い作家クリスチャンと、金と引き換えに彼女を手に入れようとする公爵の間で愛の囚われ人となり、サティーンと恋に落ちた作家はデカダンな世界に身を沈めていく……。
satine_thumb.jpg
サティーンの登場シーン。
狂乱の音楽が止まり、一瞬の静寂の中、天井からダイアモンドダストの様な銀粉と共に舞い降りて来るニコール・キッドマン。

このシーンの美しさと言ったら!
本当に息を呑んで、しばし呼吸を忘れてしまう。

極彩色の世界から、突然、青いスポットライトを浴びたニコールのアップ。
青白い光を浴びて更に神々しいダイアモンドの輝きを自ら発光する。その白肌と青い瞳の美しさ。
髪を下ろした赤毛もいいけれど、髪をまとめてアップにし、黒のシルクハットを深く被った姿が最高に美しい。
moulinrouge.jpgバズ・ラーマン監督は、ニコール・キッドマンの美しさ、可愛らしさを最大限に活かす為に、どう撮ればいいのかを一番よく知っている人物だと思う。
『Chanel No.5』のCMでも、ニコールはバービー人形のようなもの凄い美しさだった。

コメディシーンの演技は、その美しさが邪魔をしてか、ちょっと空回りしていた感もあるけれど、それでも充分おかしく笑える。
ユアン マクレガー [AA-758] [ポスター]
サティーンと恋に落ちる作家クリスチャン役のユアン・マクレガーも、彼しかいなかった!と思える程のはまり役。彼は何を演じてもはまり役かも?

二人の歌の、意外なほどの上手さに聞き惚れる。
初めて観た時も感じたが、その後サントラを聞き込むと、歌手が歌う他の曲と比べるとやはり少し聞き劣る気がした。
moulinrouge01.jpg
それが、スクリーンで聞くととても上手に思えるのは、表現力のなせる技に他ならない。
歌は、声や歌の上手さだけではなくて、表情や表現力から受け取る部分が大きいのだと改めて感じた。
スクリーンで歌う二人は、サントラCDの数倍素晴らしかった。
特に、ユアン・マクレガーが! 『Your Song』の「君がいる事、なんて幸せ」というフレーズで、思わずこぼれたような微笑み! あの表情が最高にキュート!
ユアンファンという訳ではないけれど、あの表情には惚れる。

好きなシーンは他にも沢山。

サティーンが、フレンチカンカンの女達のスカートの中で衣装替えしながら、クラブオーナーのジドラー(ジム・ブロードベント。ニコールよりも大きな丸い瞳と凄みのある演技が印象的)と今夜の相手客の話をするシーン。

電飾のついた風車の回るレトロで未来的、初めて観る独創的なパリの街の景色。

ロートレック(ジョン・レグイザモ。「ランド・オブ・ザ・デッド」で相変わらず若々しかったけれどもう40代! お気に入り!)の役柄、設定、描き方。

おじさんだらけの『ライク・ア・バージン』。『ロクサーヌ』のしびれるようなタンゴシーン。

カーテンコールの中倒れるサティーンを抱くクリスチャン、見守るジドラー、ダンサー達を見つめるカメラが天へと上っていく。照明効果のおじいさん達が二人を見下ろしているのを、更に見下ろす劇場の神のような目線でステージが終わる。

そして、始まりと同じく舞台の赤い緞帳が閉じ、スキンヘッドの指揮者がコミカルに映画の幕を閉じてくれる。
始まりから終わりまで、映画と音楽、ミュージカルと舞台裏を堪能させてくれる、最高に刺激的で興奮する、キラキラした宝石箱のような映画。
出来ればスクリーンで、何度でも観たい!

サウンドトラック「ムーラン・ルージュ」少し物足りないと思っていたら、いつのまにか“2”が出ていた!!
ミュージック・フロム・ムーラン・ルージュ2
サントラ ニコール・キッドマン ジム・ブロードベント キャロライン・オコナー ナタリー・メンドーサ ララ・マルケイ ユアン・マクレガー ジャセック・コマン ジョン・レグイザモ ギャリー・マクドナルド
ユニバーサルインターナショナル (2002/03/21)
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おすすめ度の平均: 4.25
4 2があるとは!!
5 これで完全完結!!
4 いい曲ばかり


ムーラン・ルージュ アルティメット・エディション
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (2003/12/17)
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5 究極!!
5 文句なし!!!
5 !!!・!!! こんな映画、素敵すぎる !!!・!!!



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posted by bakabros at 23:21 | 東京 🌁 | Comment(3) | TrackBack(2) | 外国映画
この記事へのコメント
ご訪問ありがとうございました。
主演2人の唄の上手さが「表現力のなせる技」というの
全く同感です。表情からにじみ出る感情がいいんですよね。
ミュージカルの醍醐味とも言えますし。
「ロクサーヌ」はワタシも鳥肌が立ちました。^^
TBさせてくださいね。
Posted by ショウメイ at 2005年09月12日 02:44
先日はコメントありがとうございました。
こちらは私のメモのような感想とちがって細かい感想でとても参考になります。
ニコールは本当に綺麗ですよね。確かに綺麗過ぎて白々いい感じのシーンもありましたが(笑)。
「ロクサーヌ」はここぞというばかりに見せてくれるシーンでしたね。TBさせていただきますね。
Posted by 森@王子 at 2005年09月12日 13:06
ショウメイさま。
こちらこそ、いらっしゃいませ。TB.コメントありがとうございます!
サウンドトラックもいいけれど、やはりあの映像と一緒に音楽を堪能したい作品ですね。
また覗きに来てやって下さい!

森@王子さま。
こちらこそ、TB.コメントありがとうございます!
可愛さは「奥さまは魔女」、美しさは「ムーラン・ルージュ」だと思いました。
全部が見所で、もの凄く密度の濃い作品でした。
また遊びに来てやって下さい!
Posted by bakabros at 2005年09月12日 14:02
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MOULIN ROUGE! (ムーラン・ルージュ!)
Excerpt: 舞台は1899年のパリ。人々を魅了して止まない、豪華絢爛なナイトクラブ、ムーラン・ルージュ。そこの花形ダンサーであるサティン(ニコール・キッドマン)と才能ある劇作家クリスチャン(ユアン・マクレガー)の..
Weblog: 英語で映画
Tracked: 2005-09-12 02:49

豪華絢爛歌って踊って恋をして
Excerpt: ミュージカル映画が決して嫌いなわけではないです。どちらかというと好きなのですが、この「ムーラン・ルージュ!」なんとなく避けてました。理由は・・・なんかパッケージの裏の物語
Weblog: 本日の糧
Tracked: 2005-09-12 13:17