大統領官邸のある街で、大統領の専属理髪師になってしまった純粋で平凡な男とその家族が、権力争いや時代に流されながらも懸命に生きる姿を描く。

観る前は、もっとほのぼのしたコメディかと思っていたが、結構シリアスなシーンが多かった。
全体的には、笑いあり感動あり涙あり政治批判ありのストーリーで、ひと言でジャンル分けするのが難しい。
ここまで色んな要素を詰め込んでも違和感なく終始ゆったりと落ち着いたテイストでまとめ上げた、これが初監督作品脚本・監督のイム・チャンサンは素晴らしい。
様相はコメディでも、描かれている政治的な事件、出来事はシビア。現実なら恐ろしいような事も、上手く笑いに転化させる事であくまでも映画的に描かれているので悲惨にはならない。
主人公は理髪店の主人ソン・ハンモ(ソン・ガンホ
「南極日誌」ジャパン・プレミアで舞台挨拶したイム・ピルソン監督が、ソン・ガンホの事を「韓国ではとても面白い俳優さんという事で有名です」と話していたのが印象的だった。
ソン・ガンホ出演作は「殺人の追憶」と「南極日誌」しか観ていないけれど、とても存在感があり演技力のある俳優さんだと思っていた。
イム・ピルソン監督曰く「“ひょうきん者”で、出てきただけでお客さんが笑う」とか。面白い人というイメージは全くなかったのでとても意外だった。
でも「大統領の理髪師」を観て納得! とにかく彼の一挙手一投足がおかしくて、笑ってしまう。お約束でベタなギャグなのに、あの無表情ないかつい顔がかえって面白くなってくる。
何をするのかわかっている所で間違いなく笑わせる、演技力以外の体から滲み出る面白さは天性のコメディアンだと思った。
あの大きなごつい体を猫背にして、下を向いて丸くなっている姿だけでもうおかしい! 彼のもっとベタなコメディ一色の映画を是非観てみたい思わせる。
奥さん役のムン・ソリ
自分の好みとしてはもう少しほのぼのコメディも観たかったけれど、親子愛と圧政への批判と庶民の弱さと強さを描いたストーリーはとてもよく出来ていて、考えさせられ、感慨深い。
ソン・ガンホのまた違った面を観てみたい。そしてイ・ジェウン少年の今後がとても楽しみ!
そして、ナガン、立派になったねー!
ひさびさに来てみれば、なんと私が以前みたまんまの順番で同じようにご覧になってるじゃないですか!うれしくてどっちもトラバさせていただきました。
ぶっちゃけた話、ソン・ガンホの魅力が活きているのはこの作品や『反則王』『クワイエット・ファミリー』のような気がします。ニコリともせずにボケたおすコメディアン。
逆にそんな彼が『殺人〜』で怖い役をするからいいんですけどね。
こんにちは! この映画のソン・ガンホ、とても好きでした。『反則王』『クワイエット・ファミリー』是非観てみたいです。
ソン・ガンホを見ていてビートたけしを連想しました。ただ居るだけでおかしい人。そして狂気を孕んでいるような。たけしも大好きなのです。
もしかして見てらっしゃるカナって思い検索をかけたら、しっかりこの映画もご覧になってたんですね。
思わず書き込んじゃいました。
ソン・ガンホさんはすごいですね。
「JSA」「殺人の追憶(DVDは持ってるのですが、原作を読んで怖そうだったのでまだ見てません)」のイメージがすごくあったので、こんなコミカルな演技をたんたんとこなす人なんだってびっくりしました。
今度、頑張って「殺人の追憶」もみてみようと思います。
検索かけて古い記事にもTBして頂いたとの事、とても嬉しいです!これからもどんどんTBしてやって下さい♪
ソン・ガンホさんは「殺人の追憶」と「南極日誌」とこの映画しか観ていないのですが「大統領の理髪師」の役が一番合っていたような気がして好きでした。
「殺人の追憶」確かにホラー映画とはまた違った怖さがありましたが、結構笑えるシーンもあるんですよ。凄く重厚感のある、深くて素晴らしい作品でした。
観られましたら是非またりおさんの感想を聞かせて下さいね!