「ブラザーズ・グリム」

鬼才テリー・ギリアム監督7年ぶりの最新作。
テリー・ギリアムと聞くと何となく凄い人というイメージがある。
今も「未来世紀ブラジル」「12 モンキーズ」が代表作なのね。

19世紀“赤ずきんちゃん”や“ヘンゼルとグレーテル”の住むドイツの村を舞台に、少女の連続失踪事件を依頼されたウィル（マット・デイモン）とジェイコブ（ヒース・レジャー）のグリム兄弟。魔物退治で賞金稼ぎをしていた彼等が、それまで体験したことのなかった、呪われた森の魔術的な力に立ち向かうことになる。
「ブラザーズ・グリム」は、グリム兄弟の生涯を描いた伝記映画かと思いきや、予告編を観てぶっ飛んだ！
ファンタジー？　アドベンチャー？　全くフィクションのCG冒険活劇！？


ちょっとトンデモ映画な香り。でも、テリー・ギリアム監督なので観ることにする。


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あんまり期待していなかったのだけれど、面白かった！
まずタイトルロールからワクワクさせてくれる。
暗い森の中を分け入っていくと、漆黒の闇の中の森の木々達がまるで生きているように見えるイメージがタイトルに重なっていく。

マット・デイモンは、金髪の長髪が意外に似合うね！　眉毛やもみあげまで染めているのが、あのインパクトのある顔立ちを和らげてイイ感じ。
ジミー大西に見えなかったのはこれが初めてかも!?


ヒース・レジャーは、彼と認識して出演作を観るのは初めて。
ちょっとオーバーな気もするけれど、良いですね。良い意味で全くアクがなくて、マット・デイモンとは対極にあるような感じ。役柄的にも、2人の相性も、新鮮味があって良かった。


モニカ・ベルッチは、そのまんま魔女に見えるはまり役。
胸の谷間が凄い！

レナ・ヘディも出演作を初めて観る。
男らしいいい顔してる。




映画について、まず始めに思ったのは、ディズニーランドのようなアトラクション。
でも、やっぱりお化け屋敷！　しかも、ホーンテッドマンションのような子供向けじゃなくて、インディ・ジョーンズアドベンチャーのような！？

結構、ホラーでスプラッタ！

「死霊のはらわた」！？　というシーンもアリ。

虫嫌いな人は観ない方が。全編虫だらけなので、ずっと目を覆うことになるかも！？

私が一番怖かったのはサシャのシーン。
あれは、子供時代に観たら絶対にトラウマになる！

これ、血とかはあまり出てこないので、R指定とかPGとかないんだろうけれど、私にとっては「シン・シティ」よりも、子供に悪影響があるんじゃないかと思ったほど。

それも、終始コミカルな演技と軽いテンポとスピード感の中で、突然に毒が入ってくるので、その落差にドキッとさせられる。
表向きは上手いこと子供向けに作っているけれど、後ろ手に針でチクチクされているような。

その毒の散りばめられ方が絶妙で、ドキドキ、わくわく、ひえ〜っ！うわっ！？　という感じで、毒の部分まで楽しまされてしまう。

おとぎ話、童話、絵本の中の幸せと不幸せ、喜びと恐怖が共生している感じ。

子供向けの話かと思って安心して読んでいると、もの凄いグロテスクで残酷な出来事が飛び込んできて、ドキドキしながらもそこから眼を離せない感じ。

本当に良くできた、リアルなおとぎ話！

これを映像で見せられる感じは、とても楽しかった。

“誰も見たことがない驚愕のファンタジーワールド！”という宣伝文句は信用していなかったのだけれど、あながち大げさでもなかったかも。

どこかで観たような映像、ストーリーのはずなのに、とても新鮮な感じがするのは、この素材をテリー・ギリアム監督が料理したからなのだろうか。

CG、VFXの正しい使い方！　という物をこれでもかと見せてくれる。
冒頭のスカーフが飛んでいくシーンでもう目を奪われる。

あとはこのおとぎの世界に身を委ねるだけ。
魔法好き、漫画好き、ゲーム好きにお勧め。勿論グリム童話好きにも♪



ディレクターズ テリー・ギリアム
鬼才監督テリー・ギリアムが、自ら作品のエピソードを語る貴重なドキュメンタリーDVD。
歴代の主演者達も登場。

テリー・ギリアム―映画作家が自身を語る
反逆とアート、宗教と神話、パロディと精神分裂、映像の予言者ギリアムのすべて。
強い感情をかき立てるフィルム・メイカー、テリー・ギリアムの生い立ちとその作品世界に迫る。

監督自身に興味が湧く、映画監督ってそうはいない。

久し振りの新作で心配の方が大きかったけれど、やっぱりこの監督って凄い！　と思わせてくれる映画だった。

Comments

ぼくことオレもテリー・ギリアムが大好きです。
特に「未来世紀ブラジル」は
オレの生涯のベストに入るくらい好きです。
「ブラザー・グリム」も公開前から気になってた映画。
なんたってひさびさですもんねギリアム映画は。
ファンタジー系はお手の物の監督だけに、
余計期待しちゃいました。
久々に行っちゃおうかな、劇場に。

Posted by オレ（もしくはオレら） at 2005年10月12日 17:17

こんにちわ。
TBさせていただきました。

自分の記事で思いっきり子供も見れると書いてしまったんですけど、そういえば虫がうじゃうじゃ出てくるシーンがありましたね(^^；
あれは確かに気持ち悪かったです…
でも、映画はおもしろかったです*^-^*

Posted by caramel at 2005年10月12日 21:46

オレ（もしくはオレら）さま。
アトラクションに乗っているようなアップダウンを楽しめる映画でした！　是非、スクリーンで観られることをお勧めします♪

caramelさま。
細かい所がグロいんですよね。
見逃しそうだけど、結構凄いことしてるぞ！という場面が沢山あったような。。
グリム童話を観るつもりでいたら少し驚く人もいるかもしれませんね。面白かったです！

Posted by bakabros at 2005年10月13日 06:15

トラバありがとう！
虫よりも「蛙舐め」にゾッときたあたしですが、
これはDVD買うこと間違いなしのお気に入り映画です。
ジミーちゃん（笑）は毛も染めあげて
いい仕事してましたね。迫力ありました。

Posted by nut at 2005年10月15日 10:25

nutさま。
あの蛙、凄くリアルだったけど、勿論本物！？すごいですね。
ジミーちゃんは実は本来ブロンドだとか？？　どこかで読んだのですが、黒髪があまりにもぴたっとくるので信じられません。金髪（赤毛？）の方が確かに顔が自然かな。

Posted by bakabros at 2005年10月15日 14:41

脚本がギリアムじゃないところが、ファンとしては残念ですが、逆に上手く映画としてまとめってるんでしょうね（観てないのですが）。ギリアムらしい素材で期待大です。ギリアムというとブラジルと言われてます、僕もＤＶＤで持ってますが全く色褪せてないのが凄いです。個人的にはバンテッドＱとバロンのギリアム・ギャグ炸裂作品がお気に入りです。

Posted by TOMOKIX at 2005年10月25日 09:07

TOMOKIXさま。
ギリアム作品を観るのは久し振り！　そのせいか新鮮な気持ちでこの映画を堪能する事が出来ました。モンティ・パイソン時代を全くと言っていい程知らないのですが、今凄く興味が湧いてきています。バンデッドQとバロンも観てみます！

Posted by bakabros at 2005年10月26日 01:22

こんにちは。
ＴＢさせていただきました！
なかなかグロいシーンもありましたが、
とっても楽しめちゃいました♪
あの世界観、好きです☆

Posted by まいちん at 2005年10月28日 10:12

まいちんさま。
ある意味「シン・シティ」よりもグロい気がしました！　でも私もとても好きな世界観で、お気に入りの映画になりました♪

Posted by bakabros at 2005年10月29日 03:05

こんにちは。
初めてTBさせていただきました。
映画の情報もいっぱいで素敵なblogですね。
私は映画を見たいみたいと思っている反面なかなか時間がないので、
ここを見て見た気分になりたいと思ってます♪

ブラザーズ・グリム。
若干グロかったですが、ここをみて覚悟を決めていったので、
無事怖い思いをせず楽しむことができました（笑）。
ありがとうございます♪

Posted by ＊りお＊ at 2005年10月31日 17:39

＊りお＊さま。
こんにちは！　りおさんの温かいお言葉、感激です！(T_T)　「ブラザーズ・グリム」に関しては鑑賞前に大分怖がらせてしまったようですが、逆にお役に立てた(?)ようで嬉しいです！
グロさとか怖さって結構個人差がありますよね。
「シン・シティ」と「ブラザーズ・グリム」を観て改めてそう思いました。
是非また遊びにいらして下さいね♪

Posted by bakabros at 2005年10月31日 19:10

TB頂に来ました〜
昨日観てきたんですが、なぜかあまり印象に残らなかったんですよ（涙）
キャラたちはみんな大好きだったんですよ
特にマットちゃんとヒース・レッジャーの兄弟役は続編作って欲しいくらい大好きでした♪
ストーメアのイタリア人も笑えたし、色々なパロディもおかしかったし
それなのに、観終った後なぜか「あぁ面白かった！」と思えなかったのが悔しい！
ので、もう一度観てきます（ぷぷ）

余談ですが、おうさるさんのサイトご覧になってるんですね〜♪
やまけんさんが紹介されてる阿佐ヶ谷のトルコ料理「イズミル」、実はお友達なんです
機会がありましたら是非行ってやってくださ〜い　m(__)m

Posted by ココ at 2005年11月09日 21:32

ココさま。
私は全然期待していなかったのが良かったのか、凄く楽しめました！　想像を裏切られる感じだったんですよね。
おうさるさんも一押しの「イズミル」ですね！　凄く気になって行ってみたいと思ってました。
阿佐ヶ谷は自転車圏内なので、今度行ってみます！　行ったら記事にアップしますね♪

Posted by bakabros at 2005年11月10日 00:52

こんばんは〜。
シリアスに作り過ぎていないところが童話の世界っぽくもあり
かといって手を抜いている訳ではなく、隠れたこだわりが沢山有る映画でした。
CGやVFXのように見えてそうでなかったり、またその逆もあったりと、セットや小物も含め監督のこだわりも感じられました。
ただそれに気付かない事が多いかも・・・
もう一回じっくり鑑賞してみたいです。

Posted by 0120 Blog at 2005年11月18日 20:33

0120 Blogさま。
皆さんの感想読んでいてもあまり評判よろしくないようですね。私はその時の気分とぴたりと合ったような気がします。良いところだけ観られたような。メジャー作品として制作側からのダメ出しが多く、監督の思い通りにはできなかったらしいです。監督の思い通りの「ブラザーズ・グリム」も観てみたい！

Posted by bakabros at 2005年11月19日 02:23

この映画が良いというのが理解できない。お金を貰っても行きたくない映画だった。
何を伝えたいのか分からないし、過去見た映画の中でもワースト３に入る。この映画が良いと言う人達は、大丈夫？

Posted by 匿名 at 2006年01月21日 20:36

匿名さま。
映画を観た人の数だけ、それぞれの感想、見方、意見があって当然だと思います。
匿名さんのベスト3、他のワースト2も是非伺ってみたいので、次回はお名前残して行って下さいね！

Posted by bakabros at 2006年01月21日 22:37