『パリ、恋人たちの2日間』(『2 DAYS IN PARIS』)
2 Days in Paris

フランス人写真家マリオンとイタリア旅行の途中、彼女のパリの実家を訪れたアメリカ人インテリアデザイナーのジャック。カルチャー・ギャップや彼女の過去の男達との関係に翻弄され、たった2日の間に二人の関係に危機が訪れる!?
最近では『ブロークン・フラワーズ 』が印象的だったジュリー・デルピー。
『恋人までの距離(ディスタンス)』『ビフォア・サンセット 』では恋人たちの微妙な距離感を、イーサン・ホークとの会話だけで見せてくれました。
『ビフォア・サンセット 』でリチャード・リンクレイター監督、共演のイーサン・ホーク
とともに脚本にも参加しアカデミー賞脚色賞にもノミネートされたジュリーですが、今回はなんと監督・脚本・製作・音楽・編集・主演の6役!をこなしています。



ヴェネツィアのラブラブ旅行と地獄のパリを追体験して、心地よい疲労感と充足感。切ない恋愛がしたくなる、お洒落なロマンティック・コメディです。
パリの彼女の実家での家族たちのけたたましい謎の会話、町中で次々と出会う彼女の元カレたちにヤキモキする彼のおかしいこと!
とにかくジュリー・デルピーの魅力が満載な映画。スッピン眼鏡のボサボサ髪からドレスアップした時の変身ぶりには思わずため息。
飾らない仕草、話し方、ケンカっぱやい性格までが、彼女自身かと思ってしまうほどナチュラルな演技。タクシーの運転手とのやりとりは、お芝居とは思えないほどの迫力で観ているこちらまでジャックと一緒にヒヤヒヤ。
劇中交わされる何気ない台詞のやりとりは、楽しくておかしくて哀しくて、笑ったりドキッとしたりキュンとしたり。
余韻を残すラストもイイですね。切ない終わり方には、『ビフォア・サンセット 』を思い出しました。



ジャック役に『デジャヴ』のアダム・ゴールドバーグ。神経質で細かい事にこだわるNYのアメリカ人を好演。彼女に振り回され困惑する様子が本当に可哀想に見えてきて、良かったです。
『グッバイ、レーニン!』『ベルリン、僕らの革命 』のダニエル・ブリュールも印象的な役で出演しています。
ジュリー・デルピーの実の両親であるアルベール・デルピーとマリー・ピレが彼女の両親役で出演しているのも楽しいですね。ここまでやるとジュリー・デルピーのワガママ映画になりそうだけど、とてもサラッとした上質のラブコメディとして完成しているのがスゴイです。ジュリーの監督作品をもっと観てみたくなりました。
『ビフォア・サンセット』での共演から3年、二人がそれぞれ監督する最新作が同時期に公開されるのも面白いですね。
ジュリー・デルピー、ほんとうに楽しそうでした。
ぼくは深刻ぶったインテリ臭がない分、
ウディ・アレンよりこちらが好きです。
羽が生えたようなシャンソンが聞こえてきそうな
軽やかな感じがする映画でした。
深刻ぶったインテリ臭!
今度ウディ・アレンの映画を観る時に、この言葉を思い出して吹き出してしまいそうです。
予想以上に面白くて、観て良かった!と思いました。
誰が観ても楽しめそうで、沢山の人に観て貰いたい作品です。
ホントに噂どおりに、ウディ・アレンテイストでしたよねー。
こんなに俺様映画的に主導権を握っているのに、明るく楽しくナチュラルなものだから、全然嫌味じゃないんですよね。
素直にこの才能に心打たれてしまいました。
ジュリー・デルピーの才能には本当に驚かされました!
サラリとやってのけてる感じもイイですよね。
想像以上に面白くて大満足の作品でした。