2006年08月06日

『狩人と犬、最後の旅』

『狩人と犬、最後の旅』(「LE DERNIER TRAPPEUR」「THE LAST TRAPPER」)試写。フランスで『ディープ・ブルー』、『皇帝ペンギン』を抜く大ヒット、実在の狩人、ノーマン・ウィンターとその犬達が主人公の映画と聞くと、いかにもなドキュメンタリー映画を想像しますが、ちゃんと脚本があって、それに沿って、本物の狩人と犬達の、どこまでも自然な演技が見られる。それこそがこの映画の見所で、魅力だと思います。

狩人と犬、最後の旅 コレクターズ・エディション
ポニーキャニオン (2007/03/21)
売り上げランキング: 3058
おすすめ度の平均: 5.0
5 大自然と共生する狩猟生活の過酷さと静謐な美しさ
5 抒情詩のような映画


ニコラス・ヴァニエ監督は自身も冒険家で、06年に犬ぞりでシベリア横断6000キロ走破という偉業を達成しているのだとか。小説家、写真家としても活躍する中、カナダ北極圏横断中にノーマン・ウィンターと出会い、映画化を即決したそうです。

Last Trapper 最後の狩人 Last Trapper 最後の狩人
ニコラス・ヴァニエによる文章の絵本。そのイラストと動物の解説幾つかを公式HPで見ることが出来ます。

カナダ北西部のロッキー山脈を舞台に、黒熊、ヘラジカ、山ヤギ、トナカイといったあまり馴染みのない動物たちの姿、ビーバーの巣作りやキツネの獲物狩りの様子を、それと同じ目線で同じ暮らしぶりをするノーマン・ウィンターの視点から見ることが出来る。この映画を観ている間だけでも、大自然の中の野生動物と同じ気持ちになれた気がする。それが一番嬉しくて、そして悲しい事でもありました。

タイトルやあらすじから想像していた物とはストーリーが違った展開でも、きちんとした脚本、演出されたドラマだったとしても、大自然そのものと動物たちが主人公である事には変わりない、ノンフィクション・ファンタジー。
動物ドキュメントとして見ると、そのドラマチックな展開に素直に驚かされ、フィクションドラマとして見ると、その広大な自然の姿と訴えかけるものの力強さに感嘆します。

無計画な森林伐採により動物達の生態系を崩しているのは私達自身で、追いつめられて昔ながらの暮らしが出来なくなってしまった狩人もまた私達自身であるという事を、決して押しつけがましくなく、でもストレートに訴えかけてくる正直な作り方に圧倒されました。老若男女に見て欲しい映画です。

見たこともない動物たち、鳥たちが歩き飛び回る姿を見るだけでも価値ある作品だと思います。
特に動物や自然ものの好きな方には是非お勧めします!

公開は8月12日。是非テアトルタイムズスクエアの超大画面で堪能して欲しい映画です。


極北の狩人 極北の狩人
映画へも熱いコメントを寄せている椎名誠の「モンゴロイドの軌跡」極北ルポルタージュの決定版。TV放映されたシベリア編DVDつき。

クマにあったらどうするか―アイヌ民族最後の狩人姉崎等 クマにあったらどうするか―アイヌ民族最後の狩人姉崎等
映画の中で、ノーマン・ウィンターと相棒犬が、まさにこの難題の答えを体現してくれていますひらめき 実際クマ、オオカミと出会った時に彼のように悠々としていられるかは別として。とても美しく、緊迫感ある素晴らしいシーンでした。


ディープ・ブルー −スタンダード・エディション− 皇帝ペンギン プレミアム・エディション
ディープ・ブルー −スタンダード・エディション− 皇帝ペンギン プレミアム・エディション

ー(長音記号2)『皇帝ペンギン』の感想記事はこちら。




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posted by bakabros at 23:28 | 東京 🌁 | Comment(4) | TrackBack(7) | 外国映画

2006年08月02日

『ローズ・イン・タイドランド』

『ローズ・イン・タイドランド』(TIDELAND)新宿武蔵野館にて。テリー・ギリアム監督の描く「不思議の国のアリス」とは。ぎりぎりエロでグロで、もの凄くどぎついものを見せられているのに、ギリアムファンタジーな映像の魔法に包まれて、一見それと気づかせない。リアリティがなさすぎる事が逆に凄くリアルに見えてくる。恐ろしく可憐な悪夢。

Tideland Tideland

ジャンキーの両親を持つジェライザ=ローズは、父親の歯ブラシに歯磨き粉をつけてあげるかのように日常的に、注射器でヘロインの準備をし、彼が<短い休暇>へ旅立ってしまう過程を見守ります。そんな日々の中、母親はオーバードーズで死んでしまいました。
2人で逃げるように訪れた故郷。最愛の父親まで、<長い休暇>へと旅立ってしまいます。
ローズは唯一の友達、頭だけのバービー人形たちと空想の世界へと更なる冒険を始めます。
新しい地での出逢い。魔女の陰に怯えながら、王子様と愛を育もうとしますが……。

原作はミッチ カリンMitch Cullin の『Tidelandタイドランド

Tideland Tideland
Tideland Tideland
原作は未読ですが、その粗筋、感想を見ていると、映画の映像そのままと全く同じような印象を受けます。

ヘロイン中毒の両親と、当たり前のように暮らす少女の姿があまりに自然であるが故に、まるで普通の親子を見ているような気分になるほど。
その境界線の曖昧さが恐い。どこで境界を引くのかを、観ている側に委ねられ、その受け取り方次第でホラーにもファンタジーにもスプラッターにもなるし、ロリータものにもなりそうな。

母親の口紅でお化粧し、鏡の前で空想のお芝居。
ずるくていやらしい事柄は全部お人形に語らせて、大人の世界を覗き見する。
未知の世界への好奇心と興味で本当に心臓が破裂しそうだった少女の頃の、思い出したくないような、毒々しい気持ちが思い出されてドキッとします。

roseint.jpgほとんど1人芝居で、首だけの人形達の声までこなすジョディ・フェルランドは、素晴らしいけれど末恐ろしいです。『サイレントヒル』では演技力は勿論「恐い顔だなぁ!」とそればかりが印象的でしたが、今回の作品では更に感嘆しました。11歳であそこまで出来るのか、やるのか!? 女優って恐い仕事だなぁとつくづく思いました。


お父さん役がジェフ・ブリッジスという事でちょっと期待していましたが、ほとんど出番なかったですね。椅子に座っているだけで……。

ディケンズ役のブレンダン・フレッチャーは強烈な印象を残します。
ローズとのキスシーンはかなりヤバイです。色んな意味でたまらないものがあります。

『ブラザーズ・グリム』ではエンタテインメントに徹し陽を描き、『ローズ・イン・タイドランド』では陰の中の妖しい光をギラッと放つ。
テリー・ギリアム監督からはやっぱり目が離せません。


カチンコ『ブラザーズ・グリム』の感想記事はこちら。


タイドランド タイドランド
翻訳は金原 瑞人さんです。

テリー・ギリアム映像大全 テリー・ギリアム映像大全
とにかく、観ないと始まらない目

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posted by bakabros at 23:52 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(22) | 外国映画

2006年07月31日

『アメリカ、家族のいる風景』

『アメリカ、家族のいる風景』(『DON'T COME KNOCKING』)飯田橋ギンレイホールにて。1984年にカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した『パリ、テキサス』以来、20年ぶりとなるヴィム・ヴェンダース監督と原案・脚本・主演のサム・シェパードによるコンビ。ですが、『パリ、テキサス』についてあまり覚えていないのです。そして『アメリカ、家族のいる風景』も、自分の中で同じ運命を辿りそうです。

アメリカ、家族のいる風景 アメリカ、家族のいる風景

ヴェンダースと聞けば、80年代に映画をよく観ていた世代にとっては、“とりあえず観なくちゃ”と思わせる数少ない映画監督のうちの1人だと思います。
存在その物が映画のようで、目が離せないアーティスト。
この映画を最後にアメリカを去り、ドイツへ戻られたそうです。

アメリカ,家族のいる風景―オフィシャル・フォトブック アメリカ,家族のいる風景―オフィシャル・フォトブック

リンクするいくつかの親子関係。

サム・シェパード演じる落ちぶれた役者のハワードと、30年ぶりに訪ねる1人暮らしの母親(エヴァ・マリー・セイント)。
ハワードの知らないところで生まれ育っていた息子アール(ガブリエル・マン)とその母親ドリーン(ジェシカ・ラング)。
こちらもハワードの知らないところで生まれ育っていた娘スカイ(サラ・ポーリー)。
そして、アールとスカイと、父親ハワード。

その全てが自分勝手で自己中心的で、大人になりきれない子供のように思えて、そんな彼等を観ているのが痛々しくなってくる。

特にアールが初めて父親の存在を知り、パニックになる様子の描き方に戸惑います。
観ている時は、登場人物全員が不安定に見えましたが、後からスカイだけはやけにしっかりとしていて、みんなを導いていく母親のような存在だったと気づきました。

訳知り顔で、その深意のほどに関わらず、発言そのものに思わず納得させられてしまうような、誰もが頷く意見を述べてくれる大人は1人も出てきません。
それが、観ている自分をこんなに不安定な気分にさせるとは。考えたこともありませんでした。

ヴィム・ヴェンダース ヴィム・ヴェンダース ヴィム・ヴェンダース
ヴィム・ヴェンダース ヴィム・ヴェンダース ヴィム・ヴェンダースexclamation×2
監督の母国語はドイツ語なのでしょうか。ベンダース監督の撮る、ドイツ語のドイツ映画を観てみたいです。

映像(イメージ)の論理
天使のまなざし―ヴィム・ヴェンダース、映画を語る

ヴェンダース本が本当に沢山出ています。ヴェンダース監督の映画は、語りたくなるのでしょうか。それとも、監督そのものが映画のようなので、彼の人生を追ってみたくなるのかもしれません。

この映画を思い出す時、なぜか少し前に観た『ブロークン・フラワーズ』の音楽が頭の中を回り始めます。

映画「ブロークン・フラワーズ」オリジナル・サウンドトラック 映画「ブロークン・フラワーズ」オリジナル・サウンドトラック

パリ、テキサス パリ、テキサス
男っぽい映画というイメージがあります。今、もう一度見返してみたいです。

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2006年07月25日

『ヒストリー・オブ・バイオレンス』

『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(『A HISTORY OF VIOLENCE』)飯田橋ギンレイホールにて。
ラストまで気が抜けず、謎解きの種明かしをされるのが勿体なくなるくらい。
久々に映画らしい映画を堪能して、ずっとこの映画を観ていたいと思わせる、数少ない作品でした。

デヴィッド・クローネンバーグ監督といえば未だに『ザ・フライ』を連想してしまいます。
マニアックな映画を撮る監督というイメージ。ここまで隙も無駄もないきっちりとしたエンタテインメント作品だとは思いませんでした!

ヒストリー・オブ・バイオレンス ヒストリー・オブ・バイオレンス

ヴィゴ・モーテンセンは『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの印象しかなくて特別な思い入れはなかったのですが、この映画の主人公、人望厚く庶民的で皆に好かれている良き夫、良き父親のトム・ストール役は、とってもいい男に見えましたハートたち(複数ハート) 味わいのある、こんなにいい役者さんだったんだ!
それが、段々と見せ始める変化の過程、ジョーイの顔つき、瞳の鋭さにはゾクッとするほど。
トムなのか、ジョーイなのか、ヴィゴなのか、その危うさがたまらないです。

もう一つ驚いたのはアクションシーンの素晴らしさです。身のこなしと描き方は、『ボーン・スプレマシー』のマット・ディモン以来かと思える美しさでした。それはヴィゴ・モーテンセンのアクションというよりも、監督の演出方法とカット割り、編集などによるものが大きいのかなと思いました。

監督自身が「他の映画で見られるようなバレエ的なスローモーションで振り付けされたシーンとは正反対の物」と語るように、この映画で描かれる暴力シーンは、“肉体的行動が突然起こり、衝動的で、醜い結果を含めているもの”。
その暴力シーンがとてもリアルであるが故に、後半の劇画的になっていくストーリーにも信憑性を持たせていると思いました。

登場人物1人1人の背景までしっかりと緻密に丁寧に描かれていくので、ストーリーに自然と引き込まれます。
セリフ、人物、展開に全く無駄が無く、やり過ぎもない。過不足のないという事が、見ていてこんなに気持ちの良いものか!と久し振りに映画を観て感じました。
素晴らしい作品でした。

ヒストリー・オブ・バイオレンス ヒストリー・オブ・バイオレンス

ヒストリー・オブ・バイオレンス ヒストリー・オブ・バイオレンス
原作グラフィック・ノベル。原作がコミックだとは知りませんでした。
この原作コミックをもとに脚本を書いたジョシュ・オルソンは、『MONSTER』の脚本を執筆しているそうです。それは期待大ですね〜るんるん

オーバー・ザ・ムーン オーバー・ザ・ムーン
ダイアン・レインが情事に溺れる相手としてヴィゴが出演していました。
ワゴン車に洋服を乗せ移動販売をしているヒッピーな役柄。そういえばこの時の彼もとてもセクシーでした♪


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posted by bakabros at 23:11 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(12) | 外国映画

2006年07月23日

『恋は足手まとい』

『恋は足手まとい』シアターN。19世紀末のパリの社交界が舞台、エマニュエル・ベアール主演のフレンチラブストーリーかと思いきや、何でもアリのドタバタラブコメ舞台劇でした!

koiwaaside.jpg“オートクチュールのドレスやカルティエのサファイア、何百本ものバラの花束、ため息がもれるような最高級品の数々。その幕が下りるまで社交界にエスコートされたかのようなエレガントでゴージャスな世界を堪能出来る”公式サイトより)
という事ですが、なんだかとにかくドタバタしていて、優雅な感じがしないんですよね。それはそれで面白いんですけど。
こういうラブコメドタバタ喜劇は好きなんですけど、この映画のテイストに慣れるまでちょっと時間がかかりました。

監督は『読書する女』『真夜中の恋愛論』のミシェル・ドヴィル監督。モリエールと並ぶフランス劇作家と称されるジョルジュ・フェドーの19世紀の戯曲を元に、監督夫人のロザリンド・ドヴィルが脚本・制作。

女性、そして監督の奥様が脚本という事を後から知ってなるほどと納得しました。
リュセットが愛人の婚約相手と知らず、うら若きヴィヴィアヌのベルスリーブの白いブラウスを脱がせてアレンジする場面の、セリフのないしっとりとした雰囲気がとても良くて好きだったのですが、あのたおやかなやわらかさは女性の視点ならではでないかと思いました。

エマニュエル・ベアールは『美しき運命の傷痕』とは全く違ったコメディエンヌぶりを披露して笑わせてくれます。見ればみるほど面白い、不思議な顔立ちをしてます。瞼が日本人には信じられないつくりをしていますねぴかぴか(新しい)

先日TV放送していた『ミッション:インポッシブル』にも出演していました。全然変わらない! いつまでも若々しくてお美しいです。

【送料無料】シャンタルトーマス アム コキーヌ オードトワレ 30ml ct1.jpg
映画館でチラシを見て、“毎金曜、最終回には先着1名様にシャンタル・トーマス アム コキーヌ オードトワレ(30ml)にノベルティの「くすぐり棒」をつけてプレゼント!”と知って愕然としました! 丁度金曜日だったのに、昼の回に行ってしまいました〜ふらふら 知ってたら絶対に最終回に行ったのに。でも、先着一名様に入るのは無理かな?
くすぐり棒が欲しかった〜かわいい くすぐり棒って普通に売っている物なんでしょうか!? 上映は7/28日までなので、これから見に行く方は最終日にチャンス有りるんるん

美しき諍い女 無修正版 Mの物語
美しき諍い女 無修正版 Mの物語
ジャック・リヴェット監督との二作品。是非スクリーン上映して欲しいですカチンコ

皇帝ペンギン プレミアム・エディション 皇帝ペンギン プレミアム・エディション
リュセットの愛人エドワール役のシャルル・ベルリングは、『皇帝ペンギン』のナレーションをしているそうです。フランス語版も観てみたいでするんるん


カチンコ『美しき運命の傷痕』の感想記事はこちら。

カチンコ『皇帝ペンギン』の感想記事はこちら。

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posted by bakabros at 20:29 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(1) | 外国映画

2006年07月22日

『ライフ・アクアティック』

恵比寿ガーデンシネマ、『ライフ・アクアティック』『天才マックスの世界』『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』の二作で天才監督と言われるウェス・アンダーソン監督最新作。

『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』が、面白くても、あまり好きにではなかったので、『ライフ・アクアティック』も過剰な期待はせず鑑賞。
前作のジャージの代わりに、揃いのユニフォームと赤いニット帽。この監督は、連帯感を強く表す事にかなり執着心があるらしい。それが疑似家族だから、余計にカタチにこだわるのか。

lifea00.jpg海洋冒険家(って一体!?)のズィスー(ビル・マーレイ)とその仲間達チーム・ズィスー。プラス、息子と名乗り出てきた男(オーウェン・ウィルソン)、ズィスーを追いかける女性記者(ケイト・ブランシェット)、融資した銀行の監査役を乗せてベラフォンテ号は出航する。
幻のジャガーザメに、27年来の右腕エステバンを喰われた敵を取るため。プラス、ヒットする映画作りのために。

映画の中で、海洋冒険家で映画製作者でもあるキャプテン・ズィスーは、事あるごとに「カメラ回してたか?サイズは?」と、映画制作にあたって、面白い物は全てフィルムに取りあえずおさえる姿勢を崩さない。例え30年越しに初めて出逢った息子との感動的な会話でさえ、映画に使うためフィルムに収めようとする姿勢に、映画製作者の心意気と意地汚さを感じてとても楽しくなる。
映画を撮る人は、実際こうなのだろうな、というとてもリアルでオーバーな表現。それが楽しめるか楽しめないかでこの映画の評価は大きく分かれると思います。

lifea02.jpgリアリティのあるような、ないような設定と表現の中、突然事件が起こり、急にアクションスペクタクル映画に!
この辺から、ついて行けない人も多くいるのではないかと懸念したり。
突然ビル・マーレイが不死身のアクションヒーローになり、笑いが堪えられなくなる。情けなさ顔がたまらないです。

『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』の監督、ヘンリー・セリックが想像上の海洋生物を担当。そのCGとアナログのギリギリの所を本当に上手く魅せてくれる。
CGとわかっていても、現実にありそうな世界に見えてしまう、そのリアルさと嘘っぽさの境界線の絶妙さ!
本当にこういう生き物、いるよな、いそうと思わせる作り方は見事。

lifea03.jpgケイト・ブランシェット演じる妊娠中の記者の設定が今ひとつ深く伝わってこなかったのが残念。
話し方に癖があり、『アビエイター』のキャサリン・ヘップバーン役を引きずっているような印象を受けてしまいました。
妊娠中の記者との恋という設定は面白いと思ったのだけれど、設定の面白さだけで終わってしまった感じ。
ケイト・ブランシェットが演じたのが救いで、変に生臭くなったり現実的過ぎる事はなかったけれど。折角ケイト・ブランシェットが演じているのに、役の拡がりやストーリーとの繋がり、深みがなかったのが残念でした。

公式サイトでも聴ける、劇中でズィスーのドキュメンタリー映画用の音楽として使われるアナログ・シンセサイザーの安っぽい音楽が耳について離れないです。
劇中、これが流れているだけでもう楽しい気分に♪

lifea04.pngこの映画では、ビル・マーレイ以上にボケをかましてくれる、ウィレム・デフォー!
こんなにちっちゃかったとは!? これまでの存在感の大きさからは気づかずにいたけれど、ちっちゃくっても、全然OK!
今までにない素晴らしいコメディ演技を観せてくれました。
ビル・マーレイよりもおいしい所を全部持って行ってるかも。
ずっと好きだった人の違った一面を、圧倒的な力で魅せられるのはとても幸せな体験。

海の中の出来事の、CGと気づかないようなCG使い、その世界観。
ビル・マーレイ演じるズィスーとその疑似家族達の人間的な魅力。
ばかばかしさとその中に意味を見いだそうとする悪あがき。


そういう全てが今の私にはぴったりときて、心地よく笑わせて貰いました。
でも、次回作には期待しません。
ライフ・アクアティック」が好きだから。

ライフ・アクアティック ライフ・アクアティック

ザ・ロイヤル・テネンバウムズ 天才マックスの世界
ザ・ロイヤル・テネンバウムズ 天才マックスの世界

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posted by bakabros at 18:50 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 外国映画
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