2006年01月29日

『ミュンヘン』

「ミュンヘン」試写会。
1972・ミュンヘン・オリンピックで11人のアスリートが殺害された。深い悲しみの中、イスラエル政府が下した決断は、報復だった……。史実に基づいた物語。スティーブン・スピルバーグ監督。
スピルバーグ監督の最高傑作と言われている事もあって結構期待していました。
政治的な内容は少し難しかったのですが、映画としてとても見応えがあり、良かったです。
ただ、これが事実でなければ「面白かった!」とはっきり言えるのに、という感想になってしまいます。
ミュンヘンオリンピックの事件、イスラエル、パレスチナ間の状況、そもそもの争いの発端からして、政治的な問題をよく理解していないので、途中でちょっとついていけない場面もありました。IRAとかEAT? とか、ゲリラや組織の名前がチンプンカンプンで誰がどの組織の人なのかとかわからなくなった事もありましたが、何とか最後までついていきました。

ミュンヘン スペシャル・エディション ミュンヘン スペシャル・エディション

暗殺とその報復。11人殺されて、9人殺し返すだけでは終わらず、報復合戦はエスカレートし、軍隊が介入してくる辺りはもう戦争そのもの。今現在も当時と同じ理由で、世界中のあちこちでこういう闘争、テロ、戦争が起こっているのだという事を思い知らされます。
国家への忠誠、兵士として人を殺す事は殺人にはならないのか。家族を持つ普通の人間としての主人公の葛藤が、そのまま観客へと問いかけられます。
Munich [Original Motion Picture Soundtrack] Munich [Original Motion Picture Soundtrack]
映画「ミュンヘン」オリジナル・サウンドトラック
必要最低限に抑えられながらも恐怖と緊張感を演出する ジョン・ウィリアムズの音楽はさすがです。
一番面白かったのは、電話のシーン。展開は予想出来るし、どうやって怖がらせるのか、よくわかっているのに、もの凄くコワイ! リアルな映像と緊迫感を煽る自然な演出に、もう心拍数が上がりまくり。映画を観てこんなにドキドキしたのは「スター・ウォーズ」のオープニングと、「THE JUON」以来? でも期待ではなく、純粋な緊張感からの、これ程の脈拍の急上昇は多分生まれて初めてじゃないかと思いました。
「人が意図的に作ったものを見ているだけで、こんなにも心拍数が上がるんだ」という事実に驚きました。映画って凄い。スピルバーグってやっぱり凄い。
感情を強く揺さぶられるのは、ストーリーが事実に基づいていて、その詳細を知らないせいもありますが、それにしても見事なシーンでした。
あのシーンを見るだけでも鑑賞して良かったし、1800円払ってもいいと思いました。

ザ・ディレクターズ スティーブン・スピルバーグ ザ・ディレクターズ スティーブン・スピルバーグ

主演のアブナー役のエリック・バナ他、ダニエル・クレイグ、キアラン・ハインズ、マチュー・カソヴィッツ、ハンス・ジシュラーと、主要人物以下全てのキャストがとてもリアル。「あの映画で見たあの人だ」という役者さんがいなかったのも映画により現実感を持たせていると思います。
後から政府との連絡役がジェフリー・ラッシュだった事に気づきましたが、見ている時はわからなかったです。

ミュンヘン―オリンピック・テロ事件の黒幕を追え ミュンヘン―オリンピック・テロ事件の黒幕を追え
標的(ターゲット)は11人―モサド暗殺チームの記録 映画の原作本です。

そして、一番衝撃的だったのは、パレスチナゲリラの首謀者達に報復する暗殺指令を出した当時のイスラエル首相が、女性であったということ。
思想に男女の違いはないこと、全てを首相が1人で決めている訳ではないことはよくわかりますが、それでも、「戦争や殺し合いの命令を下すのはいつも男性側だ」という思い込みがどこかにあったのだと気づきました。
女性には、いつの世も命を産みだし、育み、愛おしむ存在であって欲しいと改めて思い、女性が女性ではいられなくなるような戦乱の世の中にしてはいけないと強く思いました。

スティーブン・スピルバーグ―シネマの天才 スティーブン・スピルバーグ―シネマの天才
地球に落ちてきた男―スティーブン・スピルバーグ伝 地球に落ちてきた男―スティーブン・スピルバーグ伝

スティーブン・スピルバーグ・ストーリー

スピルバーグ監督作品は「E.T.」、「未知との遭遇」、「ジョーズ」、「インディ・ジョーンズ」といった以前の映画が好きです。最近の作品は今ひとつ良いと思えなくて、新作にも期待感が薄れてきていましたが、「ミュンヘン」を観てからまた見る目が変わりました。
「インディ・ジョーンズ4」に期待!



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posted by bakabros at 21:48 | 東京 ☀ | Comment(13) | TrackBack(70) | 外国映画

2006年01月26日

「単騎、千里を走る。」

一ツ橋ホール「単騎、千里を走る。」試写会。
高倉健さんの映画と言えば、昔TVで見た「幸福の黄色いハンカチ」。あと唯一スクリーンで観たことがあるのは「夜叉」です。「夜叉」はビートたけしが出演していたので見ました。昔からたけちゃんの大ファンなのです黒ハート
他の出演作では「野性の証明」「南極物語」「ミスター・ベースボール」などもTV放送で見たことがありました。
高倉健さんは、一定の年齢層の、それも特に男性に人気があるようなイメージがあります。今回の試写会場もいつもより男性1人客が多かった気がしました。

この映画を観たいと思ったのは、チャン・イーモウ監督作品だから。
チャン・イーモウと言えば、「初恋のきた道」「あの子を探して」「英雄 ~HERO~ 」「LOVERS」と、繊細な心の動きを丹念に描く人間ドラマからアクション超大作までをも完璧に撮ってしまい、底知れぬ才能を世界へ見せつけ、アジアで今、最も注目される映画監督。
そのチャン・イーモウ監督は、1976年の健さんの主演作「君よ憤怒の河を渉れ」を観てからの大ファンで、高倉健を主演に映画を撮ることが夢だったそうです。

単騎、千里を走る。 単騎、千里を走る。

この映画は、“健さんの映画”でした。
チラシで読んだだけでも、ストーリーにちょっと無理がある気がしましたが、観た後もそれは変わりませんでした。
今まで10年以上も確執があり会話もなかった父と息子の関係から考えると、たとえ息子の大病という理由があったとしても、“病気で倒れた息子の為に中国へ旅発つ”という父親の突然の行動への説明が、簡単にナレーションで語られただけだったことに、少し無理を感じました。
主人公の“強い心の動き”が描き切れていなかったような気がします。

ただ、中国の大陸の素晴らしい景観と空気感、山奥に住む人々の暮らしぶりや、何よりも中国の人々の素顔に触れられたのが凄く貴重な体験でした。
というのは、中国での場面で高倉健さん以外の登場人物は、すべてが素人で、一般の人々なんだとか!
これは見る前から知っていたのですが、実際映画を観て、驚きました。
みんな、もの凄く自然な演技で、上手い。
その自然過ぎるセリフまわしやリアクションに、段々、「あ、本当に何も演技していないから、自然なんだ」と当たり前の事に気づきました。

だから、見ていると健さんよりも中国人の通訳、京劇の演者、刑務所の受刑者達、山奥の村の村長、家族たち、そして子供に目が行ってしまいます。
健さんも、素人相手のお芝居は「今までで一番難しかった」そうです。

単騎、千里を走る。 単騎、千里を走る。

ちょっと停滞ぎみの画面が、鍵となる子供、ヤンヤンの登場で急に活気づきます!
じゃがいもみたいな顔つきで、ひと言も発しないこのヤンヤン少年の存在が画面に潤いを与えて行き、ヤンヤンと絡む大人達、健さんまでもがどんどん自然になっていって、カメラに写る空気さえもを変えて行きました。

この映画は“健さんの映画”ですが、中国パートは紛れもなく、チャン・イーモウの映画でもあり、ヤンヤンと中国の人々の映画でもあります。

「日本パートを日本人監督に撮って貰いたい」というチャン・イーモウ監督の希望により、降旗康男監督が日本でのシーンを監督した事も、余計にこの映画をちぐはぐさにさせてしまったような気がしました。チャン・イーモウ監督の心情はとてもよく理解出来ますが、どうせなら、全てをチャン・イーモウ監督に撮って欲しかったし、それを観てみたかったです。

君よ憤怒の河を渉れ 君よ憤怒の河を渉れ
チャン・イーモウ監督が惚れたという高倉健を観てみたい。「単騎、千里を走る」を観た今、改めて凄く興味がわきました。

あなたに褒められたくて 南極のペンギン 旅の途中で
健さんの著書。結構出てました。どんな事を感じてどんな事を語るのか、ちょっと気になります。

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posted by bakabros at 23:59 | 東京 ☀ | Comment(10) | TrackBack(40) | 外国映画

2006年01月22日

「ディナーラッシュ」

ずっと観たかった映画をやっと観ました。
ニューヨーク、トライベッカの人気レストランを舞台に繰り広げられる一夜のディナーラッシュ。
ディナーラッシュ ~スペシャル・エディション~ ディナーラッシュ ~スペシャル・エディション~
見る前は、出される料理や、料理人、厨房での調理のやりとりがメインになっているのだと思っていました。
それが、意外にも物騒な感じの始まりに、マフィア物好きな自分はぐいぐいっと引き込まれて行きました。
どうやら、料理のレシピを勉強するような映画ではなさそうな展開。
3ヶ月先まで予約の取れない人気レストランを舞台に、オーナー父子の葛藤、料理人達、そこへ訪れる様々な客達の人間模様を、サスペンスを味付けに丹念に描く群像劇でした。

素晴らしい料理を作る料理人だって、いい人だとは限らない。
スポーツ賭博に夢中になって、厨房を抜け出してはウェイトレスの彼女と逢い引きしたり。
善人にしか見えないオーナーも、賭博の胴元をしていた過去から新手のマフィアにつけこまれ、困っている。レストラン評論家もシェフと寝て、つける点数も甘口に??

そんな雑多な出来事をドキュメンタリータッチで、まるで映画を観ている自分が、同じレストラン“ジジーノ”に居るような気にさせてくれます。それもその筈、映画中のレストランは、監督のボブ・ジラルディ自身がニューヨークに所有する、実在のレストラン『ジジーノ』を使用して撮影したそうです! 今もまだあるなら行ってみたい! あの臨場感、階段での無駄話とか、リアルさは、本物だったからこそなのですね。

dinnerrush.jpgダニー・アイエロが主要人物を演じるという事だけでも気になっていました。
イギリス版?は彼のポスター。しかも、ジャンルはコメディ!
この俳優さんを初めて観たのは「月の輝く夜に」のニコラス・ケイジが演じたロニーの兄、ジョニー・カマレリ役です。
だからかずっとあの役のまんまのイメージで、お人好しのいい人にしか見えません。

Dinner Rush Dinner Rush アメリカ版は格好良いダニー・アイエロ♪
イタリアが好き、マフィア映画が好き、そして食べる事が大好き!+ダニー・アイエロ好きという私にはたまらない映画です♪
まるで「料理はこの映画の主役じゃないよ」と言うように、料理自体のアップはほとんど映りません。それでも、厨房で振られるフライパンの中身を目で追っているだけで充分に楽しめる。料理の品書きを聞いているだけで、お腹が減ってきます。

ニューヨークのイタリアンレストランが舞台ですが、食というものが全ての源にあるというイタリア気質を堪能させてくれます。
食べることがとても官能的な事だというのを、洒落た映像と音楽で体感出来る映画です。

キャストがとても良かったです。
ダニー・アイエロの息子役ウードを演じた、ちょっとイチロー似なエドアルド・バレリーニ。ギャンブル狂の天才シェフにカーク・アセヴェド。その彼女に中国系のヴィヴィアン・ウー。画家を目指すウェイトレスのマルティ役のサマー・フェニックス(ホアキン、リバティ、レイン、リヴァー・フェニックスの妹!)に、謎のビジネスマン役にジョン・コーベット(「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」の主演の彼!)、と渋くて演技上手な芸達者勢揃いという感じ! 脇の脇まですきのないキャスティングが、映画をよりリアルに見せます。

小粒だけど、しっかりと何回も見返したい、常連になりたい愛すべきレストランのような映画でした。

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posted by bakabros at 20:26 | 東京 ☀ | Comment(6) | TrackBack(3) | 外国映画

2006年01月18日

「フライトプラン」

有楽町朝日ホール「フライトプラン」試写会。
三年ぶりの主演作にこの映画を選んだという事が、まさにジョディ・フォスターという人間を表しているような気がします。演技力は勿論、体力勝負のようなシーンも多いので、ただシェイブされた体というだけでなく、スクリーンから遠ざかっていた間にも本物の筋力が蓄えられていたのだなあと感心しました。
ターミネーター2」のサラ・コナーを連想してしまいます。
格好良いけど、ちょっとコワイ。近寄りがたい雰囲気を持っている女優さん。
そんなジョディ・フォスターの神経症的な魅力を上手くいかした作りで、どこの国かもわからない冒頭シーンからグイッと引き込まれていきます。

フライトプラン フライトプラン

映画は、始まりから謎につつまれ、最後の方まで、「一体何が真実で正しく、誰が嘘をついているのか?」と推理しながら観ていくので、とても緊張感、緊迫感があります。
設定と描き方には、「フォーガットン」(予告からの印象)とかの記憶もの、「シックス・センス」なんかもチラッと頭をよぎります。 観客も真実探しを強いられる映画ですが、ジョディ・フォスターの演技力はさすが! です。
精神的に危うい感じをとても上手く演じきっていました。
『子供を女手一つで守る、強くて賢い母親』という設定が、「パニック・ルーム」ともかぶりますが、彼女は本当にこういう役がつくづく好きで、『男がいなくても生きていけるわ』という信条なんだなと勝手に推測しました。
flightplan1.jpg確かに、ジョディ・フォスターならいつの世も立派に1人で生きて行けそう!?とか映画と関係ない事を色々と考えてしまいました。
娘役の女の子がもの凄く可愛いのですが、寝姿が多かったのでその可愛い顔があまり見られなくて残念。
あと、「ロード・オブ・ザ・リング」で人気爆発した、ショーン・ビーンが出演しています。
彼のその後の出演作品「ナショナル・トレジャー」、「アイランド」と見ていると、どうしても「今回もまた悪役か?」と思って観てしまいます。
悪役ばかり演じていながらも、彼の顔とか物腰自体は決してそんなにワルには見えないので、普通のラブストーリーとかも観てみたい気がします♪

ジョディ・フォスターの真実 ジョディ・フォスターの真実
その人そのものに強く興味を引かれるのは、トップスターの証拠。何年休んでも色あせません。
妹ジョディ・フォスターの秘密 妹ジョディ・フォスターの秘密
俳優でもあった実の兄が、生い立ちから、ジョディの妊娠、同性愛説の真偽までを暴露!
これは、やってはいけない事ですが、気になる〜! もの凄く読みたいです!!

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posted by bakabros at 23:31 | 東京 ☁ | Comment(11) | TrackBack(85) | 外国映画

2006年01月15日

『 『レジェンド・オブ・ゾロ』

東商ホール「レジェンド・オブ・ゾロ」試写会。
マスク・オブ・ゾロ」の続編で、アントニオ・バンデラスキャサリン・ゼタ・ジョーンズ主演、マーティン・キャンベル監督も一緒。「続編」という字を見かけないので、全然別の映画なのか何か問題でもあるのかと思ってしまいました。
マスク・オブ・ゾロ デラックス・コレクターズ・エディション マスク・オブ・ゾロ デラックス・コレクターズ・エディション
前作(多分)の「マスク・オブ・ゾロ」は見ていないのですが、今回の「レジェンド・オブ・ゾロ」が思っていたよりも面白かったので、アンソニー・ホプキンスの剣術が見られるという前作も見てみたくなりました。
映画中何度も「養父」というセリフが出てきたのですが、この養父がアンソニー・ホプキンスの演じた役なんですね。ますます気になります。

愛する妻エレナ(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)と息子ホアキン(アドリアン・アロンソ)の為に“ゾロ”を引退する決意をしたアレハンドロ(アントニオ・バンデラス)。
しかしゾロを引退出来ないでいるアレハンドロは、妻エレナに愛想をつかされてしまいます。

ストーリーは単純で先が読めるし、いつかどこかで見たような映像、アクションシーンの連続で、危なくなると必ずゾロか他の誰かが現れて救ってくれる、あまりにもなご都合主義も、あまり気にならずに楽しめました。
最近消化不良な日本映画が続いたせいか、いかにもハリウッド的なこの映画に、単純にスカッとしました。
とにかくスピーディ! カット割りが早いし、アクションも目にも留まらぬ早業で、ついていくのが大変。もうちょっとじっくりと剣術を堪能したかったところですが、でも、さすが「バーティカル・リミット」「007/ゴールデンアイ」のマーティン・キャンベル監督。キャッチコピー通り、手に汗握るアクションシーンの連続です。
The Legend Of Zorro - Statue: Don Alejandro On Tornado The Legend Of Zorro - Statue: Don Alejandro On Tornado
芸達者な黒馬トルネードを立たせるこのポーズ、“Z”なんですよね!?
zorro2.jpgゾロのムチ使いに感心しました! ムチの先ってどうなっているのかな?
ヒュッと投げただけで、クルクルっと巻き付いて、体重かけても大丈夫なんて!?

アントニオ・バンデラスは、年をとって普通のおじさんになっていました。
昔はもっと色気があったような。

あと、なんといっても、ちびゾロ・息子ホアキン(アドリアン・アロンソ)→の活躍ですね!
始めは、面白い顔の子供だなあと思いましたが、アクション(はスタントかな?)、コメディをこなすその演技の上手さと愛らしさにびっくり。もう気になってしまって、この子ばかり目で追ってしまいます。

キャサリン・ゼタ・ジョーンズのアクションシーンは思っていたよりも少なかったので残念ですが、ちびゾロの活躍で大満足です。

そして、更に続編、三作目があるとしたら、娘が生まれた数年後、“ゾロ、エレナ&ちびゾロ、ちびエレナ”の大活劇になること間違いないですね♪

色んなゾロ発見!
アラン・ドロンのゾロ アラン・ドロンのゾロマスクしててもこの美しさ! アラン・ドロン版ゾロ、いいですね〜☆

快傑ゾロ タイロン・パワー快傑ゾロ

奇傑ゾロ
奇傑ゾロ
posted with amazlet on 06.01.16
アイ・ヴィー・シー (1994/04/21)
 
そして、ダグラス・フェアバンクス奇傑ゾロ

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posted by bakabros at 23:08 | 東京 🌁 | Comment(19) | TrackBack(56) | 外国映画

2006年01月11日

『オリバー・ツイスト』

厚生年金会館にて「オリバー・ツイスト」試写会。
チャールズ ディケンズの原作。「戦場のピアニスト」で2002年のカンヌ映画祭パルムドール、アカデミー監督賞を受賞したロマン・ポランスキー監督最新作。
オリバー・ツイスト〈上〉オリバー・ツイスト〈下〉 
オリバー・ツイスト〈上〉 オリバー・ツイスト〈下〉
原作は未読、何故か家にあった「オリバー・ツイスト」のビデオも未見。
映画を見る前に見ようかどうしようか迷ったのだけれど、見なくて正解でした。
この映画は、ストーリーを知らないで観た方が純粋に楽しめると思います。

19世紀のロンドンを舞台に、天涯孤独の少年オリバーが、生きていく為に、生きる術として学んでいく悪行の数々、出会う人々。
良い人もいれば悪い人もいるけれど、物語の中で強烈に印象に残るのは悪どく生きる大人達。
そして悪どく生きるしかない子供達。

オリバー・ツイスト
オリバー・ツイスト
オリバー・ツイスト プレミアム・エディション

スリとして生きる子供達の手練の見事さ、子供を傷つけてでもわずかな金を手に入れようとする大人達の卑しさ。
産業革命によって階級、貧富の差が激しくなっていった時代の、人の浅ましさが凄まじくリアルに描かれています。
全体を通して感じるのは物語的なストーリーだけれど、そこで描かれる人間達の業の深さ、描き方にロマン・ポランスキー監督の、人間、“生”を見つめる深い視点、心の奥底に横たわる、揺るぎない強い想いを感じました。

戦場のピアニスト
戦場のピアニスト」を観た時に感じた、人間の深い悲しみと生きる強い力を、この映画でも感じました。

オリバー役、主演のバーニー・クラークの、憂いをたたえた青白い表情は本当に美しくて、ほっとけない、つい構いたくなる登場人物達に共感してしまいます。

彼は幼い頃から演技に目覚め、小学校の学芸会の「シンデレラ」では王子様の役を断り、この方が面白いからと意地悪な継母役を演じたのだとか。
12歳にしては幼く見えますね。これからどんな俳優に育っていくのか楽しみです。
ドジャー役のハリー・イーデンのしたたかな演技も凄く良かったです。

オリバー!
先日TVで見かけたミュージカル版オリバー・ツイスト「オリバー!」が面白そうだったので、改めて観てみたいと思いました。

オリバー・ツイスト (トールケース) オリバー・ツイスト (トールケース)

ポランスキースペシャルDVDコレクション 「水の中のナイフ」 「反發」 「袋小路」 ポランスキースペシャルDVDコレクション 「水の中のナイフ」 「反發」 「袋小路」
ロマン・ポランスキー監督作品はずっと前にTVで「ローズマリーの赤ちゃん」を観たくらい。「チャイナタウン」のDVDもあるのにまだ観ていません。
映画と同じく、映画よりも私生活、監督自身が気になる人でもあります。

ロマン・ポランスキー監督の自伝“Roman by Polanski”が今凄く読みたいです!


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posted by bakabros at 23:21 | 東京 ☀ | Comment(4) | TrackBack(61) | 外国映画