
新文芸座にてペドロ・アルモドバル
「オール・アバウト・マイ・マザー」では、一見母と息子の物語と思いきや、普通にゲイの友人、元夫などが出てきて、それが当たり前のようにストーリーに絡んでくる事に驚いた。
その時は『スペインってゲイが多い国なのかな』位しか思わなかったけれど、「バッド・エデュケーション」は「オール・アバウト・マイ・マザー」の比ではない! 程、全編もの凄いゲイムービーだった。
ガエル・ガルシア・ベルナル
「ゲイの映画だ」とわかっていた私でさえ、その内容の濃さとハードさにちょっと引いた。
特別に好きという訳でもないけれど、嫌いではないので、男同士のベッドシーンも興味津々。
男同士の恋愛や欲望の描き方が余りにも当たり前で、自然な捉え方なので、“ただ相手が同性だっただけ”で、男女間の恋愛とやっている事は何も変わらない、という当たり前の事を気づかせてくれる。
監督の狙いはそこにあるのかなとも思った。

映画の前に「天国の口、終りの楽園。」の予告編を観たのだけれど、これが彼、ガエル・ガルシア・ベルナルだとわかっているのに、別人に見えた。若かったからか? 溢れ出してくる位ストレートな情熱がとても魅力的!
映画の中で、フェレ・マルチネス
その引っかかりが何ともリアルで、残酷で、人間の欲深さに驚嘆しつつ、どうしようもないような諦めの傷跡を残す。
最後まで展開が読めずドキドキして観ていた。
男性が男性に向ける欲情の視線、股間への熱い眼差し、誘うセリフとか、終始そういうシーンの連続で、その感情のこもり方が本当に情熱的で心に迫るものがある。
きっと監督はゲイなんだろう、と確信した。
結構男性の同性愛物が好きな女性は多いと思うのだけれど、男性はこれを観て、一体どう思うのか、苦手な人にはやっぱりきついのかとか、観た人全員に一人ずつ感想を聞いてみたくなる映画だった。
感想を聞けばその人の性的嗜好が垣間見られるかも??
監督の男性を見つめる愛の視線は、女性が男性を見つめるそれと同じものなので、この映画は女性向けかもとも思う。
裸で寝ているいい男のおしりとか、プールからあがってきたブリーフ一枚のガエル・ガルシア・ベルナルの股間とか!
女性は目でも心でも楽しめる美味しい映画♪ いい男のセクシーな姿を堪能したい方にお勧め。
バッド・エデュケーション
posted with amazlet on 05.09.27
ペドロ・アルモドバル 佐野 晶
ソニー・マガジンズ (2005/03)
売り上げランキング: 56,408
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ペドロ・アルモドバル監督著書の半自伝的原作。もしかして、自分の事なのかなと思いながら観ていたので、後から知ってやっぱり! と納得。