2008年06月29日

『歩いても 歩いても』

ずけずけとストレートで気のおけない母親の物言い。素直で楽しいけれど、時に、彼女が胸の内に秘めている強い想いが突き刺さってくる。
家族だからこそ見栄を張り、ちょっとした嘘をつく。長年のわだかまりやそれぞれの関係が、言葉のやりとりの端々からにじみ出てきて、羨ましくて切なくなる、ある家族の一日の出来事。
『歩いても 歩いても』

どこにいても、家族誰かの話し声がどこからか聞こえてくる、昔ながらの日本家屋。
風通しが良くて、涼しそうで、虫が多そうで。プライバシーはないけれど、田舎の良さをしみじみ感じさせてくれ、ホッとさせられる家。
aruitemo01.jpg親にとって、いくつになっても気になるのは子供のこと。亡くした子供のこと。
老後についての親、子供夫婦、それぞれの思惑。老後といいつつ、もう今がその時であること。いつか、近いうちに、でなく、今、親孝行しなければ。
人生は、いつも本当に、少しだけ間に合わない。

この映画は、是枝裕和監督が自分の母親に対して「何もしてやれなかったなぁ」という、後悔の想いから出発しているそうです。是枝監督の願い通り、映画の中には、観る人それぞれの母親が、生き生きと動き回り、いつまでもそこに生き続けてくれることだと思います。
楽しげに冗談をいい、ちょくちょく愚痴をこぼしている。
ふとしたときに思い出すのは、くだらないことを言い合っているときの、いつもの笑顔。
監督だけでなく、全ての母親の思い出が詰まっているような映画でした。

歩いても歩いても 歩いても歩いても原作本

aruitemo02.jpg今回も是枝監督は監督・原作・脚本・編集四役こなしていますが、男性が書いた台詞とは思えないほどイキイキとしてリアルな母娘の会話にはびっくりしました。
原作も是枝監督なのですが、樹木希林演じる母親と、YOU演じる嫁いだ娘の会話が、なんであんなにリアルに描けるんだろう!? YOUさんの台詞にはアドリブもあったそうですが、どこからどこまでがアドリブなのか、シナリオを読みながらじっくりもう一度観てみたいです。
樹木希林さんは勿論、他のキャスティングも素晴らしく、家族の中でいつも居場所のない父親役の原田芳雄さんもとても良かったです。


aruitemo04.jpgすごいと思ったのは、台詞が幾重にも重なっていて、その会話同士がとても自然であること。みんなが色んな話を同時にしていることが、現実には当たり前なんだけど、映画でこれをするのは、とても珍しいことだと思います。それがすごくリアルで、自分の実家に帰省したみたいな気分になって、観ていてどんどんリラックスしていきました。

是枝監督の映画には、独特の空気感がありますね。
『誰も知らない』のときも、子供たちの瞳の色、特に人の話を聴いている時の目の輝きがとても印象的だったのですが、今回も阿部寛さん演じる良多の再婚相手、ゆかり(夏川結衣さん)の連れ子あつし役の田中祥平さんが大人の会話を聴いている表情だけを切り取ったシーンにはドキッとさせられました。

皆のために母親が作る得意料理の数々が、本当においしそうで、マネしてみたくなりました。とうもろこしのかき揚げとか、枝豆とみょうがの混ぜ寿司とか。
料理を作る「音」の記憶、その料理を作る時に必ずするお決まりの会話があったりして。自分の家族を思い浮かべ、家に帰りたくなっちゃいます。

映画「歩いても 歩いても」サウンドトラック 映画「歩いても 歩いても」サウンドトラック
劇中、ゴンチチの曲がとても心地よく心に響いてきます。映画にぴったりで、いつまでもいつまでも聴いていたくなる曲。サントラ買っちゃいました。




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posted by bakabros at 20:02 | 東京 ☀ | Comment(3) | TrackBack(12) | 日本映画

2008年05月31日

『JOHNEN 定の愛』

時空を超えて繰り返されるめくるめく情愛の絡まり合いは、美しく刺激的。とけ合い一つになる情念と欲望、性愛と本能。斬新な映像感覚でつづる“総天然色ポルノグラフィ”。『JOHNEN 定の愛』
johnen02.jpg昭和11年。軍靴の足音が響く暗い世相の中、外のできごとなどまるで関心がないかのように“二人キリ”の愛欲の世界に拘泥した定と吉。その愛は、男性器切り取りという形で定の手の中に永遠に生き続けることとなる。
世間を震撼させた猟奇殺人“阿部定事件”。
『花と蛇』の杉本彩主演、『鬼火』『恋極道』『皆月』『新・悲しきヒットマン』の望月六郎監督が描く、新時代の阿部サダ。

時空を超えて自在に行ったり来たりするサダと吉蔵の魂。いつどこにいても求め合う二人の、考えられる限りのシチュエーションで繰り広げられるセックスシーンの数々は、扇情的でありながら、どこか乾いていて淡々としています。
観ているうちに、次第にセックスそのものに対する見方や考え方が変化していくようでした。

johnen01.jpg女の情念、欲望、人間の性愛への本能について、深く考えされられる映画です。阿部定の行為は、性愛を貪った怠惰な愛の結果なのか、人間の動物としての本能による崇高な愛のなせる業なのか? という問いかけが、劇中で何度も繰り返されます。
サダと吉蔵の求め合う姿をずっと静観していたサダの夫が、最後にしたこと、それがひとつの答えのような気がしました。

切り取った吉蔵の男性器を「二人の赤ちゃん」というサダの想い。
そして「二人の赤ちゃん」がサダの体を貫いて、産まれてくるもの。
ラストは、それまでの作品のトーンとは変わって、少し意外な感じがしましたが、女としては共感できて、すんなり受け入れられるものでした。
杉本彩さんはこの役柄を演じるのにぴったりで、その肢体は本当に美しくて、うっとりします。「十代の頃から気になっていた」阿部定に激しく共感し、撮影中も彼女と共鳴し合い、代弁者になるようにと演じられたそうです。
私も十代の頃に阿部定事件の映画と、実際の阿部定さんのインタビュー映像を観て、阿部定さんがあまりにも普通の、上品そうな女性だった事に驚きました。でも、一歩踏み越えれば自分も同じ事をするかもしれないとも思いました。女性には誰にでも、愛する男を独占したい、そして亡骸を肌身離さずに持っていたいという気持ちがあるのではないでしょうか。

johnen03.jpg「アヴァンギャルド映画の数々を想起させる尖鋭的な世界観」が衝撃的でとても新鮮でしたが、その元ネタを知らないのが残念です。そんな中でも、白塗り男たちが担ぐ神輿の上でのセックスシーンはとても印象的で面白かったです。

阿部定が惚れ抜く石田吉蔵役に『IZO』の中山一也さん。
謎の老人・サダの夫役の内田裕也さんのオーラあふれる独特の存在感に圧倒されます。
高瀬春奈、江守徹と個性派俳優が脇を固めています。

万華鏡 映画「JOHNEN 定の愛」より 万華鏡 映画「JOHNEN 定の愛」より
杉本彩×阿部定。<肉体で愛を全うした女>阿部定が、<愛に生きる女>杉本彩で甦る。

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posted by bakabros at 22:12 | 東京 🌁 | Comment(2) | TrackBack(1) | 日本映画

2008年05月10日

『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』

1958年公開の黒澤明の名作『隠し砦の三悪人』を、ストーリーもキャラクター設定もごく基本的な部分だけを残して大胆にアレンジ。『日本沈没』の樋口真嗣監督がリメイクした『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』。時代劇に不慣れでも、戦国時代にスッと入り込んでいける、今の時代の気分に合った新時代劇。

黒澤明監督のオリジナルは、ジョージ・ルーカスがスター・ウォーズのヒントにした事でも有名な痛快娯楽時代劇の傑作。わかりやすい人物設定や、人間臭い台詞のかけ合いとストーリーの面白さ、役者達の生き生きとした魅力がほとばしる力強い作品でした。(黒澤明監督の『隠し砦の三悪人』の感想はこちら。
隠し砦の三悪人 隠し砦の三悪人<普及版>

オリジナルストーリーをきちんと覚えていなかった事もあって、今回のリメイクを観る時に、黒澤明作品とあまり比べずに済みました。
リメイク版では主役が秋月家の侍大将・真壁六郎太から金掘り師の武蔵になり、武蔵と雪姫との恋愛がベースになっています。とんとんとんとお話が進んで行くのでスピード感があって、じっくりと見せるシーンとの対比が良かったと思います。

kakushi00.jpg隠し砦から脱出する時に、武蔵と雪姫が縄梯子に飛び移ったり昇降機で落ちて行くシーンはスター・ウオーズを連想させられたし、ダースベイダーを逆輸入したような鷹山刑部(椎名桔平)の出で立ちと刀の音にはニヤリとさせられました。
音楽も自然で映像とよく合っていて、時代劇に不慣れな現代人にとって、観やすい時代劇という感じでした。刀で斬り合う時の残像、残響の映像表現も面白かったです。
松本潤さんはあご髭とモミアゲをつけても、まだあごのラインの細さが際立っていて、美しかったです。
雪姫役の長澤まさみさんは、祭り歌を口ずさむ歌声が良かったです。オリジナルの雪姫役の上原美沙さんが強烈な印象と存在感があったので比べてしまいます。
オリジナルでは三船敏郎さんが演じた、真壁六郎太役の阿部寛さんの目力が良かったです。
新八役の宮川大輔さんのボケやはじけぶりもなかなか良くて、映画のいいムードメーカーになっていたと思います。

オリジナルで、山名の侍大将・田所兵衛(藤田進)とのやり取り、救出劇がとても印象的で面白かったので今回も楽しみにしていたのですが、そこはまるまるカットされていたのにはがっかりしました。今回のリメイクを観て、オリジナルのキャラクター設定とストーリーの面白さを再認識しました。改めて黒澤明監督の『隠し砦の三悪人』を見返したくなりました。

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posted by bakabros at 22:27 | 東京 ☁ | Comment(3) | TrackBack(10) | 日本映画

2007年09月26日

『包帯クラブ』

時間ばかりを持て余し、胸騒ぎを抑えられずに、自意識過剰な自己主張を“人のため”の気の利いた善行と勘違いして、何かやりたがる。自分が全てで、それ以外の世界との関わり方が、特別だった高校生の頃の気分、高揚感や焦燥感が伝わってくる映画、『包帯クラブ』
それは、目に見えない心の傷跡に“包帯を巻く”という行為そのものと、それを“クラブ”として楽しむという行為両方から感じました。

「こんなこと、高校生の頃に考えたなぁ」ということが、言葉や台詞でなくニュアンスで伝わってくるような。これは天童荒太さんの原作によるものなのか、原作を読んでみたくなりました。

包帯クラブ The Bandage Club (ちくまプリマー新書) 「包帯クラブ」オリジナル・サウンドトラック
包帯クラブ The Bandage Club (ちくまプリマー新書)
「包帯クラブ」オリジナル・サウンドトラック

映画が始まってから堤幸彦監督作品と知ったくらい、本当に何の知識もなく観ました。
houtai.jpg堤幸彦監督作品は、『トリック』『下北サンデーズ』『池袋ウエストゲートパーク』『ケイゾク』など、ドラマはどれも面白くて好きなのですが、これまで観た映画は『大帝の剣『恋愛寫眞 - Collage of Our Life -』と、チョイスが悪かったのかイマイチでした。『自虐の詩』は楽しみだけど。
ディノ役の柳楽優弥さんは、『シュガー&スパイス〜風味絶佳〜』の時よりも更に成長していて、タイトルロールで彼が出るとわかっていたのに、登場シーンでこれが柳楽優弥なのか? しばらくわからなかったほど。精神的にちょっと弾けた感じ? エセ関西弁が良い感じに彼によく合っていて、今まで観た中でも一番良かったです。これからが楽しみですね。

houtai01.jpgワラ役の石原さとみさんは可愛くてお母さんみたいで、好きな女優さんです。普通の役をやっていても何か光り輝いていて目が離せません。
タンシオ役の貫地谷しほりさんは、『夜のピクニック』の後藤リカ役が印象的。役名まで覚えているところがスゴイ。
テンポ役の関めぐみさんは『笑う大天使(ミカエル)』以来ですが、彼女もとても印象的で、存在感がありますね。
リスキ役の佐藤千亜妃さんは初めて観ました。クールな感じが良かったです。
ギモ役の田中圭さんは、よく見かけるけど未だに名前と顔がなかなか覚えられません。

堤幸彦監督作品には、いつも何か過剰な期待をしてしまうのですが、とてもストレートな映画だったと思います。同じような印象がある、『明日の記憶』も観てみたくなりました。

包帯クラブ 1 (1) (ヤングサンデーコミックススペシャル) 包帯クラブ 2 (2) (ヤングサンデーコミックススペシャル)
包帯クラブ 1 (1) (ヤングサンデーコミックススペシャル)
包帯クラブ 2 (2) (ヤングサンデーコミックススペシャル)
そして漫画化もされていました(^○^)!

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posted by bakabros at 11:00 | 東京 ☀ | Comment(5) | TrackBack(9) | 日本映画

2007年09月18日

『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』

三池崇史監督の日本版マカロニ・ウエスタン、クエンティン・タランティーノや慎吾ちゃんが出演という事で興味津々の『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』。しかも全編英語、ウエスタンと時代劇の融合と、一体どんな映画になっているのか??

スキヤキ・ウエスタンジャンゴ (小学館文庫 (な4-1)) スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ公式画報 スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ公式図解 ジャンゴスキヤキ&マカロニ・ウエスタン読本 (洋泉社MOOK 別冊映画秘宝)
スキヤキ・ウエスタンジャンゴ (小学館文庫 (な4-1))
スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ公式画報
スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ公式図解
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django01.jpgこの映画を楽しむには、西部劇やマカロニウエスタンの鑑賞歴が物を言うような気がします。
そもそもウエスタン・西部劇をまともに観た事がないし、マカロニウエスタンも定義くらいしか知らないので、お決まりや小ネタもわからないし。
ベースになる知識がないので、それに基づく新しいものを観ても、何が新しくて古いのかわからないんですよね(^▽^;) と、言い訳した上での感想です。
まず頭に浮かんだのは、クエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスの『グラインドハウス』B級映画のテイストを盛り込んだ大作という感じでしょうか。
キャスティングの凄さには圧倒されます。皆、いつも演じないような役柄を楽しそうに演じていました。

django02.jpg伊藤英明さんって、私の中では三枚目の脇役というイメージなんですが、こんな大作の主役を張るくらいの人気がある方なんですね。
伊勢谷友介さんは、前に観た時よりもずっと良かったですね。滑舌が良くなったのかと思いましたが、英語で字幕だったからか(^▽^;)!
安藤政信さん、堺雅人さん、松重豊さん、石橋連司さん、塩見三省さんと、脇まで最高に豪華な個性派の魅力的な俳優さん揃い。
佐藤浩市さんには、もっともっとぶっ飛んで欲しかったな。
木村佳乃さんは最近こういう役が多いですね。はまってます。
桃井かおりさんと小栗旬さんは比較的イメージのまま。
狂言回し的な一人芝居の香川照之さんは、元々苦手なこともあってか、全然笑えませんでしたが、あれは笑う所なのでしょうか。
石橋貴明さんのシーンも、笑えませんでした。周りの観客は結構受けていたみたい。昔は好きだったんだけどな。

django03.jpg大きくなった香取慎吾さんは、銀髪ロングヘアだと内田裕也に見えちゃいました。
クエンティン・タランティーノは、ゲスト出演のワンシーンくらいかと思っていたら、結構重要なシーンにも出番が多くて、オープニングの慎吾ちゃんとのシーン、桃井かおりとのスキヤキコント、松重豊さんとのシーン、その全てがおかしくて笑えました。ここだけでも観た甲斐はあったかな。

三池崇史監督作品は、いつも気になるんですがこれまで『ゼブラーマン』しか観た事がありませんでした。三池崇史監督作品で、これはおススメという映画があったら教えて下さい。まだまだ気になってます(^_^;)


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posted by bakabros at 18:56 | 東京 🌁 | Comment(2) | TrackBack(29) | 日本映画

2007年09月09日

『サッド ヴァケイション』

家族というもの。抗えない「血」の関係の重たさ。それゆえに生まれる憎しみ、どうしようもなくこみ上げる強い感情。母性というものがもつ恐ろしいほどの力に、ゾッとしながら諦観させられる、『サッド ヴァケイション』 

サッド・ヴァケイション サッド・ヴァケイション 映画の原作小説。

『レイクサイド マーダーケース』の青山真治監督が『Helpless』から11年、『ユリイカ(EUREKA)』から7年の時を経て撮り上げた、“北九州サーガ”の集大成的作品。
行き場をなくした者たちが集まる運送会社を舞台に、「血」の関係を軸にして、運命に翻弄される男たちと、やさしく、したたかな“ゆるぎない女たち”の絡み合う人間関係、愛憎のドラマ。

Helpless ユリイカ(EUREKA) ユリイカ(EUREKA)
Helpless
青山真治監督の作品は、見逃していてこれが初めての鑑賞です。
鑑賞前にチラシの「北九州サーガ」というフレーズを見て、『スター・ウォーズ』シリーズを連想していたら、本当にオープニングで『スター・ウォーズ』のイントロダクションのような、これまでのあらすじが流れてびっくりしました(^▽^;) そして早くて内容についていけなかった……σ(^_^;)

観ている時、『ユリイカ(EUREKA)』に出ている宮崎あおいさんがそのままの役で出ているみたいだったので、「もしかしてこれ前の作品と繋がっているのかな?」と思ったら、やはりそうだったんですね。
見終わってから、浅野忠信さん演じる白石健次が『Helpless』の主人公だと知りました。彼の過去や、フラッシュバックで出てくる「安男」の存在が少しわかりにくかったのですが、『サッド ヴァケイション』だけを観ても立派な一本の見応えある作品。でもやはり『Helpless』と『ユリイカ(EUREKA)』を観てから観た方が、よりこの映画を奥深く堪能出来るのではないかと思いました。

試写会場のせいもあるのか、全体的に台詞がとても聞き取りづらくて大変疲れました。リアルな臨場感を出すためあえてそういう感じにしているのかもしれませんが、それが結構重要な台詞だったりして、なんとなくの演技とか表情だけで読み取るには難しくて勿体ないような気がしました。主人公の浅野忠信さんの台詞が特に聞き取りづらかった(;^_^)
他の方の台詞は比較的聞き取れたりもしたので、発声とか滑舌の問題なのでしょうか。
オダギリジョーさんは、そんなに台詞も多くないのですが、脇役として印象的に輝いていました。新しいオダジョーを観た気がします。

石田えりさんの母親役は、静かな演技の中にも凄い迫力がありました。女というもの、母親というものの業の深さを見せつけられ、恐くなりますが、その当たり前さがかえって清々しくも感じます。
板谷由夏さん演じる健次の恋人を、お葬式で嫁のように扱うシーンも凄く生々しくて、でも案外よくある事のような気もします。母親だったら誰でもごく当たり前にそうするのかもしれないな、と思い、それがまた恐くなりました。

Helpless―ヘルプレス Helpless―ヘルプレス
自身の劇場映画デビュー作を完全小説化。「Helpless」から続く、主人公秋彦と健次のその後を追った中編2本も収録。

ユリイカ (角川文庫) ユリイカ (角川文庫)
カンヌ国際映画祭でパルム・ドール賞にノミネートされ、青山真治監督が国際批評家連盟賞、エキュメニック賞を受賞した作品『ユリイカ』を小説化した、青山真治監督の処女作。第14回三島由紀夫賞受賞。
『ユリイカ(EUREKA)』は前から凄く観たかった作品だったのですが、まずは『Helpless』から、通して観てみたくなりました。


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posted by bakabros at 14:43 | 東京 ☀ | Comment(5) | TrackBack(12) | 日本映画
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