
原作は週刊文春2004ミステリーベストテン第一位、2005年大藪春彦賞受賞など数々の栄誉に輝く、雫井 脩介さんのベストセラー小説。先月文庫本が発売されたところです。
犯人に告ぐ 上 (1) (双葉文庫 し 29-1)
posted with amazlet on 07.10.18
雫井 脩介
双葉社 (2007/09/13)
売り上げランキング: 64
双葉社 (2007/09/13)
売り上げランキング: 64
おすすめ度の平均: 




犯人に告ぐ 下 (2) (双葉文庫 し 29-2)
posted with amazlet on 07.10.18
雫井 脩介
双葉社 (2007/09/13)
売り上げランキング: 56
双葉社 (2007/09/13)
売り上げランキング: 56
おすすめ度の平均: 


川崎で起きた連続児童殺害事件。TV番組に犯行声明を送りつけて来た[BADMAN]と名乗る犯人に迫るため、警察が選択したのは前代未聞の「劇場型捜査」だった。
映画の主演は豊川悦司さん。石橋凌さんが出演されているので、どの役をやるんだろう? とキャスティングを推測しながら読むのもまた楽しかったです。
いつまでも姿の見えてこない殺人犯へのとらえどころのない恐怖や、連続殺害事件の真実の行方といった本筋もさることながら、それ以上に緻密に描かれる警察内部の軋轢、報道の姿勢、メディアの影響力といった現代社会のリアルな姿がとても興味深く、面白く読みました。
TVのニュース番組に巻島が登場する辺りからはグイグイと引き込まれて行きます。
読み終わって強い印象を残したのは、主人公の巻島がはじめに出会い、巻島に大きな痛手を残す事件の犯人である[ワシ]。[ワシ]の存在感、影響力が大きいからこそ、巻島が人生を狂わせていく姿がより鮮烈に映り、彼の苦悩がますますあぶり出されて行くようで、この二人の関係に最後まで目が離せません。
この[ワシ]の事件とその後を本筋にした話も読んでみたくなりました。
「劇場型捜査」の一端を担う植草役に小澤征悦さんというキャスティングも面白いですね。この植草という人物には読んでいて本当にイライラさせられたので、映画でどんな風に描かれているのかも楽しみです。
キャストは他にも笹野高史、松田美由紀、崔洋一、石橋蓮司と渋めの演技派揃いで固められています。
監督は『樹の海』で監督デビュー、トヨエツ主演のTVドラマ『弁護士のくず』脚本の瀧本智行さん。
脚本は映画・ドラマ『HERO』、『海猿』、『陰陽師』などの脚本をてがけた福田靖さんです。
映画鑑賞前に原作を読んだのは久しぶり。映画がどうなっているのか公開が楽しみです。